設計・計画に携わってる者から見て、公園や都市、地域空間についてや 北関東でのランドスケープデザイン・造園外構設計の現状、身のまわりの出来事から思ったこと、日常の話題など気持ちまで含めてざっくばらんにレポート、つぶやいていきます。
(都市部より未熟な点もあれば、その逆もある。)


【東北芸工大 環境D 3期生のいま】

同期の仲間たちはそれぞれ、建築や都市計画の分野で活躍していますが、地方ですとこんな感じです。中央でしかできないこと、地方でしかできないこと、いろいろあります。

自分の周りの出来ごとを中心に、肌で感じたものごと 笑いや感動したこと 思ったこと あるときは苦悩の日々を。 ちぐはぐな文章は愛嬌ということでm(_ _)m

仕事をしていく上で、プランニングの仕事においては気持ちの部分も内容に大きく影響します。創造性のある仕事を「純粋にやっていくため」には大切な要素であると思いますので。

2011年10月2日日曜日

地域の特色を発掘すること と 求められる技術者像

まちを形成していく上で、必要なものごとについて

その土地に人々が暮らすことや、経済活動や文化創出など様々な要素がまちの中にはあります。

人々の生活スタイルの変化については、近代(明治以降)では、舟運による物流からはじまり、鉄道の開通、自動車の普及、自動車交通網の整備、新幹線の開通、インターネットの普及などにより、時代を大きく動かした事象によって、都度まちの姿はいろいろな変化をし続けています。

地域を形成するということは、土地の立地条件や自然条件、土地に培ってきた伝統や文化なども絡んでおり、数字で示すことが可能な工学的、経済学的の他にもものや形を表現する「自然や文化的要素」というものが、地域を特色づけるのに重要な要素のひとつとなりえます。

経済学や情報工学などの思考の発展の裏に、ここ最近で忘れがちなのが地域の風土を活かすということであります。人の目で見て自らの体で感じるとることなどの、ヒューマンスケール的な思考、ランドスケープ的思考がどうしても忘れがち、おろそかにされてしまっている状況です。
人間的心の豊かさを表すもの、心身の形成につながる目で見えるもの がどこかに置き去りにされてしまっている。

戦後の高度経済成長から現在の経済低迷といった世の中の流れにおいても、人の生活の中においても、経済という考えは非常に重要な要素の一つでもあります。そして、工学的、経済学的の分野で数字や分析をし、ポイントを絞って図表で効果を表現していくことは人々に訴えかけるのに非常にわかりやすい。

ここで重要なことは数値学的な考えに加え、地域の特色について如何に考慮、配慮することができるかで、その土地が埋没してしまう、発展していくかが決まってくることだろうと思います。

地域を考えた場合、そこに
「プラスαの要素を考えることができるか、付加価値を生み出すことができるか。」
でどこにでもある地域になってしまうか、そこにしかないゆるぎない特徴を持った地域になることができるかが決まってくる。

地域の風土や文化という観点に配慮した経済活動と、そうでない経済活動とではその土地の魅力、ポテンシャルとしては雲泥の差が生まれてきます。
地域の空間とは、その土地にしかない(世界でひとつしかない)空間でありそれが大きな特色のひとつなのです。

現代社会において、どうしても忙しさに追い立てられ自分を見失ってしまうこと、多々あることでしょう。心の病に陥ってしまう人も多くなっている世の中です。

人はだれでも情緒や気持ちを持ち、多彩な感情を表現します。
地域の風景や文化に触れることで感動を受け、人間として生活していく上でも情緒の安定を図ることができる要素が少なくともまちの生活の中に眠っているのではないでしょうか。



【空間デザインに携わる技術者としての役割】
いろんな意味で、さまざまな要素を取り入れながら地域を形成していくこと、空間を創っていくことが環境デザインでもあり、単なる構造物をつくるだけの数値的工学とは異なることであります。
数値的工学をおろそかにしていいかというとそうではないことはもちろん理解しておかなくてはいけません。
(世界の先端を行く土木技術を継承する人も現在少なくなっている状況で技術立国の立場も危うい状況でもあり。)
いままで培ってきた技術というものを、現代の環境を形成するという分野に応用していくこと、発展させていくことが必要であり、それが求められる技術者像でもあります。

地域を活力づけていくためには、地域の文化や風土、人々のつながりや交流も大切にしつつ、最先端の経済についても学んでいくことが、問題を抱えている地域においては、解決の鍵となることなのでしょう。

全国の道の駅においても、駐車場の機能を優先し、ロケーションを考えないでつくってしまったところと、機能との両立を図ったうえで、人々の感性までを考慮したトータルプランニングを施したところでは、人々が訪れる度合い、空間にいることでの喜びを感じられる度合いがだいぶ異なってきます。

わび、さびの感じられる場所、四季の変化を感じられる場所などは、人々の心をいつも釘づけにし多くの人で賑わうなどの状況が見られますよね。


自分においては、経済については専門家ではないのでわからない部分が多いですが、人間として、環境をデザインする技術者、ランドスケープ分野を関わっている技術者として、人々の生活の舞台(生活空間)について、喜びや安らぎを与えることを目標にしていきたいと思います。

数値学的、工学的なことの他に、感性や人々の気持ちまで考えられる分野がトータルプランニングであり、環境デザインという分野なのであります。



まちや空間をデザインしていくこと、形づくっていくことは、いろんな要素を積み重ねながら時間のかかる大変なことであります。いろんな困難に立ち向かい、様々な難題に取り組んでいる技術者に対しては個人的にも敬意を示したいと思います。

いろんな問題点や課題点はすぐには改善できません。いろいろ試行錯誤し、時には試しながら解決方法を探っていくことが、どのような分野にも必要なことです。

創意工夫をするということ。これからの時代においても遂行していくべきことのひとつであることは間違いないでしょう。