設計・計画に携わってる者から見て、公園や都市、地域空間についてや 北関東でのランドスケープデザイン・造園外構設計の現状、身のまわりの出来事から思ったこと、日常の話題など気持ちまで含めてざっくばらんにレポート、つぶやいていきます。
(都市部より未熟な点もあれば、その逆もある。)


【東北芸工大 環境D 3期生のいま】

同期の仲間たちはそれぞれ、建築や都市計画の分野で活躍していますが、地方ですとこんな感じです。中央でしかできないこと、地方でしかできないこと、いろいろあります。

自分の周りの出来ごとを中心に、肌で感じたものごと 笑いや感動したこと 思ったこと あるときは苦悩の日々を。 ちぐはぐな文章は愛嬌ということでm(_ _)m

仕事をしていく上で、プランニングの仕事においては気持ちの部分も内容に大きく影響します。創造性のある仕事を「純粋にやっていくため」には大切な要素であると思いますので。

2011年5月22日日曜日

都内の緑空間から学ぶこと

栃木と東京とでは、緑に対する考え方、感覚は異なっています。

東京では、周辺はビルに囲まれ都市的空間が多く占めることから街路樹のや公開空地の役割がとても重要になっています。

東京都庁と街路樹:建物が大きいので樹木が大きくても小さく見えます。樹形もきれいです。

宇都宮の中心市街地の緑が足りないという記事が、先日の新聞記事にも載っておりました。
栃木県の場合は、郊外(周り)に山があり人の目からは緑がたくさんあるように錯覚してしまっているのかもしれません。街路樹のトチノキも、樹木の特性の問題もありますが道路へはみ出さないよう、枝が強剪定されてしまい、樹形は無視されてしまっている状況です。


新宿の55HIROBA:都心のなかの休憩できるオアシス空間です。

都心の中のオアシス空間も、建物と緑、空間のバランスがとてもよく心地よさを感じます。
ポケットパークといわれる場所も、固いものだけで構成されているのではなく、緑のやわらかさをうまく組み合わせているという感じです。

街路樹の緑は、夏場は特に心地いいです。

歩道横の公開空地も質が高いです。

地方の空間と比べると、凝り方もさすがという感じです。

世田谷の経堂付近:緑道も緑のトンネルになっています。

都心のランドスケープと地方のランドスケープはイコールとまではいかないですが、都市の空間の緑を形成する上では参考になること、題材は多くあります。

いろいろと、都市やものをみて学ぶ、感じること は建築や都市計画、ランドスケープ分野を生業にしている者としては、いくつ歳をとっても必要なことであります。
地方の技術者に足りないものは、いろいろ見ること(身近では題材も少ないですが...)や刺激を受けることでしょうか。
いろんな地へ足を運び、自分の体全体で都市の構造を感じ取ること、学ぶことは大切なことです。

地方にマッチするプランを考えることについては、いろんな良いところや悪いところを見て分析していくこともやっていかなくてはいけない。
出来る範囲でいいので、まずはものを見てみましょう。

2011年5月20日金曜日

仕事はやったことのある人でないとその苦労がわからない。

日々、いろんな仕事にかき回される状況。
いろんな、業界や世の中で見られている現象ですね。

設計の業界の中では、仕事の頭の部分だけコントロールしている技術者(元請業者)がいますが、その技術者が下積みを経験している方かそうでない方かによって業務の性質が格段と変わってきます。

業務の内容、本質、下の苦労がわかる技術者は、困難にあたったとき、一緒になって解決策を模索したり、考えるきっかけを与えることをします。

逆に頭だけでコントロールしている技術者は、業務の本質や目的が余り理解できなく、ひっかきまわして、後は知らない っといった感じの残念な技術者となってしまいます。
(地方の設計業界では、下請けの経験豊富な技術者が、元請の未熟な技術者に強制的にひっかきまわされてしまう現象がところどころで見受けられます。)

現場や設計の下積みをし、苦労した人ほど業務の本質を見抜く力が備わり、応用も利くようになります。世の中、年齢や資格で人を判断することがありますが、必ずしもそれだけで人を判断すると大変な目にあうこともしばしば。人をあごで使うような技術者は必ずしっぺがえしを喰らい、最終的に不利な状況に陥ります。

苦労を経験した人ほど、下からも好かれる技術者になることは間違いないはずです。
うわべだけの残念な技術者にならないよう、それぞれの設計分野で働く方は心得をもつこと。
非常に重要なことです。

2011年5月15日日曜日

規格もの と そうでないもの の設計

公園などの「空間の設計」と道路・河川などの「一般土木設計」との違いとは。


道路、河川などの設計は、基準、きまりに従ってやることが多く、数値的技術を多様します。測量設計の会社が、これらの設計業務を行っているのが一般的です。道路でしたら、線形や縦断勾配などを考えながら設計を行います。

公園などの空間の設計は、技術的なことに加え創造力(こなすことではなく、あたらしいことを考える力)を求められます。
一般土木設計同様、基準やきまりがありますが、それに加えて「こんな空間があったら、こんな空間をつくりたい...」などの空間創造的な 思考が重要となります。空間の創造という面では、建築や都市の計画をする分野と共通です。



地方では、公園の設計と一般土木設計をひとくくりとされてしまい、土木的な考えのみで設計をされてしまうのが残念ながら多数となっています。
土木的な考えで、標準図の多用や規格にあるものを組み合わせただけの空間設計がありますが、標準図にないもの、規格にないものは、形にするのをあきらめる、やめるのではなく、ないものは「考えてつくればいい」のです。都市部の公園や民間の外構空間では、そのひとひねり、ひと加えがあり、空間として上質であります。

標準図や規格にあるものを構成するだけでは、ランドスケープの設計というより、土木設計の分野から脱出することはできていません。
よく、「これは規格品でないからできない」などという言葉を聞きます。が、少しの工夫で、規格品どうしと組み合わせたり、改良をしたりして、その場に合わせたものをつくることは可能です。
やわらかな、柔軟に対応できるか、と 規格ものを尊重する思考になってしまうかによって、空間設計向きの創造的な技術者か、土木設計向きのきまりに従順な技術者かに分かれます。

ランドスケープの設計を生業にしていくには、一般土木と違って、パターン化できないものもあり企業の利益はなかなかあげられなく、多大な労力、苦労を伴います。
しかし、よりよい空間、人々が利用できる空間をつくることに対して、その分のやりがいもあります。

パターン化した作業についてうやむやする方、空間を創造することに対してアイデアがたくさん浮かぶ方は、ランドスケープ分野の設計には適しているかもしれません。

規格ものとそうでないものをうまく組み合わせながら、空間の設計をする仕事がランドスケープの設計のひとつでもあります。

2011年5月10日火曜日

地元の被災状況は(鹿島周辺~香取周辺)

今回の震災は、東日本広範囲にわたり、茨城県南部~千葉県北部についても被災を受けております。
自分の高校時代まで育った茨城県神栖市~千葉県香取市周辺も液状化、津波などの影響を受けています。

地震・津波により貨物コンテナが陸地へ(神栖市)

液状化現象により砂が噴出し、また歩道、車道が傾き(神栖市)

西高へ上がる野尻への坂(銚子市)

国道356バイパス:信号が傾き、堤防上の道路もゆがむ(香取市小見川)

地盤が波打ち、側溝も浮き上がっている(神栖市)

小野川の川底が隆起し、船が打ち上げられている(香取市佐原)

小野川の護岸が崩壊(香取市佐原)

伊能忠敬の旧家の屋根も破損(香取市佐原)

液状化の影響もありマンホールが隆起(香取市小見川)

国道124号:液状化の影響により地面が波打ち、電柱も傾く(神栖市)

連休にもかかわらず、地元測量設計会社の方々が災害調査のための測量を行っておりました。
ご苦労様でございます。
自分の勤めている栃木県内でも、現在進行形で災害査定の為の調査をしております。
しばらくどたばたしそうですが、復興へ向けて自分の出来ることを頑張ります。

2011年5月1日日曜日

東北のまち 仙台から学ぶこと

東北地方の玄関口、代表的な都市でもある仙台市。

3・11の震災前の状況までは戻っていませんが、徐々に活気づきを見せております。
東北新幹線も全線復旧し、多くの人が行き来できるようになりました。

青葉通りのケヤキ並木

宇都宮では、中央分離帯と歩道に申し訳ないくらいのボリュームで街路樹があるくらいで、秋には強剪定され樹木が無残な姿になってしまっています。街路樹をモノとしかとらえていない悲しい現実。

東京でも街路樹が大切にされて景観を形成している箇所がございますが、ここ仙台は、ケヤキの樹形もキレイであり、通りの魅力をいかんなく発揮しております。
格の違いがあります。

公園という存在については、市民の憩いの場のひとつでありますが、都心の中の公園空間は人々の安らぎの場として、大きな意味、役割を果たしています。

仙台市宮城野区 榴岡公園 さくらが満開です。
昔ながらの遊具が大切にされています。
周辺のビル群の中にある貴重な空間です。

大きな公園には、きちんと案内サインがあります。

ここ仙台は、駅周辺にも大きなビル群が集積されていますが、その中にも自然をうまく取り入れて「杜の都」を実現させております。空間の質がやはり違います。

そして都市形成、まちづくり、地域づくりのポテンシャルが高いのが感じられます。
東北人の気質も関係するでしょうか。


北関東の地方都市も、機能性だけでなく、人々が生活し、安らぎのある環境を形成していくことが
必要であると思います。いいところは、学んで実践する。見習ってほしいところです。

日光にも 二宮尊徳

29日は、まちづくりのお話が聞けるということで、日光へ出向いて参りました。

日光市の旧今市市地区にあります日光ボランティアセンターの裏手に、趣のある建物がございます。

報徳会館といいます。


どっしりとした入り口

雰囲気がいいです。

レトロな貴重な光景です。

裸電球もデザインされています。

中庭も素晴らしい。大きい建物には光を入れるための中庭があります。

寺子屋的雰囲気の講演


天井の電球もいいね。
趣があり、なかなかいいところです。


二宮尊徳のつめあとは、栃木県内にもいくつかあります。神奈川県(小田原)からはじまり、隣の二宮町があります。
栃木県では合併して真岡市になりましたが、同じく二宮町というところがありました。


地域を考えていくこと。
自分たちが生きている土地のことを考えるのは、身近な生活の中のステージ、フィールドの一つであります。
郷里のことを考えるもよし、気に入った観光地のことを考えるもよし、日本のことを考えるもよし。です。

3・11の震災によって、栃木県内の観光も大打撃を受けましたが、ここ日光にも、この連休は観光客がもどりつつあるという明るいお話も。

みなさんが、いろんな地を訪れ、見聞きすることにより、その土地の地元の方々は活気づき喜ぶことにつながります。また、経済も活性化されてきます。

現地へ足へ運び、いろんなことを学ぶのは一番わかりやすく学習する手「フィールドワーク」のひとつであります。

できることがら、やっていくことがいろんな意味で日本を元気にしていくための方法の一つです。