設計・計画に携わってる者から見て、公園や都市、地域空間についてや 北関東でのランドスケープデザイン・造園外構設計の現状、身のまわりの出来事から思ったこと、日常の話題など気持ちまで含めてざっくばらんにレポート、つぶやいていきます。
(都市部より未熟な点もあれば、その逆もある。)


【東北芸工大 環境D 3期生のいま】

同期の仲間たちはそれぞれ、建築や都市計画の分野で活躍していますが、地方ですとこんな感じです。中央でしかできないこと、地方でしかできないこと、いろいろあります。

自分の周りの出来ごとを中心に、肌で感じたものごと 笑いや感動したこと 思ったこと あるときは苦悩の日々を。 ちぐはぐな文章は愛嬌ということでm(_ _)m

仕事をしていく上で、プランニングの仕事においては気持ちの部分も内容に大きく影響します。創造性のある仕事を「純粋にやっていくため」には大切な要素であると思いますので。

2012年4月6日金曜日

震災がれき(大谷石)の再利用

栃木県においても、昨年の東日本大震災では、大きな被害を被りました。
特に、栃木県北部、東部地域の揺れが大きく、お城の土塁(城壁など)の崩壊、地場材の大谷石を使った蔵や塀がことごとく崩れてしまっている状況です。

【大谷石(がれき)の活用について】
大谷石は凝灰岩であり、栃木県宇都宮市の大谷地区を中心に採掘できる石として 全国的にも有名な石であります。

凝灰岩でもあり、強度的には比較的弱いのが大谷石。
最近は、石の加工技術も進み、かつ石の風合いは もともといいものですから 建築の壁材のパネルなどに使われていたりします。
宇都宮などでは、ショッピングセンターなどの化粧壁材としてつかわれていたりし、地場材の活用とともつながり、宇都宮、栃木らしさを演出しております。



大谷石塀、大谷石の蔵で使われていた(崩れた)瓦礫は、もろいので構造体としては使うことが難しい状況です。
しかし、石の表情、風合いはいいのでそのまま産業廃棄物として捨ててしまうのはもったいない
可能な範囲で転用を図るべきです。

コンクリートの固い空間の中に組み込むことで、少しだけでもアクセントになったりする

設計に自分が携わった物件におきまして、発注者さまからも大谷石再利用の提案があり、実際に公園の設計で一部使用を試みてみました。
転用については、(この工事単体で見た場合)材料費は掛らないにしろ、現場までの運搬費、現地での石材加工費、据付費などがかさみ、思ったほどの施工の費用の削減には繋がりにくいなぁと感じました。

しかし、瓦礫の処分費用は削減できる訳ですから、全体で見ればプラスの方向へ働くはずです。

縁石として代用  十分使える(Co縁石よりも逆にいいのでは)
敷き舗装材として代用  表情がやわらかい

実際に、施工現場を見てみると、コンクリートのみで固められたものよりも、表情が少し柔らかくなった感じがします。
構造体としての利用でなければ、十分に使えるのではないかと思います。
後は、プロジェクトや現場ごとにおける施工費用との調整でどこまで出来るか(組み込めるか)になります。

ボラードとして代用

コンクリートのベンチに組み込み

全部コンクリートにするよりは、石の表情があっていいのでは

せっかくの素材、活かせるものは活かす!

何でも、処分するというのではなく、転用可能なものは積極的に利用できるような仕組みをつくっていけたらいいのにと思うこのごろです。

実際に手間はかかっているはずなので、施工された業者さまには大変な苦労をお掛けしたことかと思います。
自分はこのプロジェクトに関しましては、あくまでも、設計の一端を担ったにすぎません。
いろんな方のご協力があって、理解があってはじめて実現できるものであります。
事業化してくださった発注者さま、形にしてくださった施工業者さまには、敬意を表しなくてはなりません。


後は、多くの地域の方々に この空間を使っていただけたら 携わった人間としては喜びでもあります。
改めまして、どうもありがとうございました。