設計・計画に携わってる者から見て、公園や都市、地域空間についてや 北関東でのランドスケープデザイン・造園外構設計の現状、身のまわりの出来事から思ったこと、日常の話題など気持ちまで含めてざっくばらんにレポート、つぶやいていきます。
(都市部より未熟な点もあれば、その逆もある。)


【東北芸工大 環境D 3期生のいま】

同期の仲間たちはそれぞれ、建築や都市計画の分野で活躍していますが、地方ですとこんな感じです。中央でしかできないこと、地方でしかできないこと、いろいろあります。

自分の周りの出来ごとを中心に、肌で感じたものごと 笑いや感動したこと 思ったこと あるときは苦悩の日々を。 ちぐはぐな文章は愛嬌ということでm(_ _)m

仕事をしていく上で、プランニングの仕事においては気持ちの部分も内容に大きく影響します。創造性のある仕事を「純粋にやっていくため」には大切な要素であると思いますので。

2012年4月3日火曜日

設計のしごと

設計のしごと。(地方都市において、ランドスケープ領域の仕事を考えた場合)

設計のしごとを全般的に見ると、
「時には、指示をして仕事を統括し、全体を見なくてはいけないときもあれば、
その一方では、部分的なパーテンションの中で強い歯車としても動かなくてはいけない。」
両面性を持ち合わせることが必要な仕事(領域)です。


新卒間際のフレッシュマンの時期は、いきなり最初からは頭(指示側)になって動くことは困難に近い状況です。


最初は、下積みを経験し、そして全体を把握して、流れをつかんでいくようにします。
全体像が見えてくると、自然に様々な作業の指示が出来るようになります。
そして、人生経験も同時に積み重ねベテランになっていくにしたがって、それぞれの人の特性に合わせた指示の仕方も出来るようになってきます。(なってくるはずです。)

年齢を重ねていくと、一技術者としてだけでなく、後進を育てていくための一指導者としても責任を果たさなくてはいけなくなる。
(そして社会全体までも見ていかなくてはいけなくなる。)

(指導する側になったときは、その辺の特性を熟知した上で、本来指示を出すべきことでしょう。あたり前のようで出来ていないことが多いですけど。)



大学で学んだこと、
それは、すぐには活かす事が出来ないかもしれない。(でも、あきらめないで)

実際、自分を見てみると、最初はデザイン的思考を活かす事ができない領域の仕事(土木設計)で、正直このままでいいのか悩みました。最初の壁というものです。
なにしろ、「設計コンサル=研究と実施の仕事の両面をこなす会社」 という認識が学生時代にあったので、実際に設計会社へ就職してのジェネレーションギャップ?というものを感じました。

しかし、その会社自体が悪いわけでもない。
様々な要因の中で、そのような仕事形態をとらざる得ない状況もあり、一企業だけの問題ではなく、業界全体、あるいは地域全体の社会構造の問題や課題であるからだと思うようになりました。

企業、コンサルによって、トップダウン的な会社もあれば、ボトムアップ的な会社もあるのでまちまちです。正直、その会社に入ってみないと状況はわからないものです。


自分のことを重ね合わせてみて今感じる、考えることとしては、土木的な領域を経験したことによって、現在の空間を構成していく、デザインをしていく仕事がより強固なものになったのだと思えるようになりつつあります。
ランドスケープの仕事においては、土木設計的な硬いこと(分野・思考)も必要ですし、大学で学んだような創造性の世界、発想力 も必要。建築的な空間を把握する、デザインしていく能力も必要。
広くものごとを捉えなければならない、そして大から小まで見なくてはいけない。

簡単に見えそうですが、実は奥が深い領域です。しかしながら、世間的にはあまり重要視されているように感じることが出来ていないのが残念なこと(無念なこと)のひとつです。
そもそも、世間的には ランドスケープって何? という人も多くいる状況もあったりする。
しかし、広く大地のことをデザインする分野でもあり、郷土の文化、自然のことやエネルギーのことまでも含めて考える必要のある分野ですから、とても大切な領域であることは間違いないはずです。

実際に、そのような特殊な分野の仕事は、中央集中(東京近郊、大阪近郊の大都市圏)であり、地方ではなかなかそのような仕事に携わることすらできない状況もあり...。
地方で、特殊な仕事をしていくことはある意味、社会構造全体への戦い(挑戦)でもあり、多大な労力を必要とします。それが達成できると改革(革命)されるのですが...。そして業界自体も活性化するはずなのですが。


そのような世界で働く技術者として、そのままの状況でいいか。
決して良くないですね。ランドスケープ的な思考をもう一度世の中に認知されるようにしていかなければならないです。
少しでもいい方向になるよう、現役で働く者として努力は続けなければなりません。
これから先の時代は、もっと厳しい時代になっていくことでしょうから。
(仕事においてはひとりひとりが、自分なりにでも考えを持っていくこと 実践していくこと が重要)

設計の仕事において必要なことは、単純に仕事をこなすだけでなく、様々なことに探究心、興味を持ち、問題や課題を解決できるような方策まで考えることが出来て、(解決策を見出せればより良いです)はじめて仕事をしたというようなものではないかと思います。


ある意味、大学で学んだことは、実践にはすぐには使えないかもしれない。
専門学校と違い、技能を学ぶというよりは、根本的なモノゴトの考え方を学んだり、学術研究を行うところが大学なのですから。
(自分の学んだ大学では、書く、編集する技術的なものも学びましたが、それだけでなく「そもそも論」まで触れることができたことが、モノゴトを考える上で非常に役にたっています。)

しかし、それがいつからか、大学で学んだことが活きてくる時期が来ます。
若いうちは、そう信じて日々の仕事を覚えることをしてください。

仕事で覚えた技術的手法と、大学で学んだ考えることへの思考が結びつく時期が訪れますから。^^