設計・計画に携わってる者から見て、公園や都市、地域空間についてや 北関東でのランドスケープデザイン・造園外構設計の現状、身のまわりの出来事から思ったこと、日常の話題など気持ちまで含めてざっくばらんにレポート、つぶやいていきます。
(都市部より未熟な点もあれば、その逆もある。)


【東北芸工大 環境D 3期生のいま】

同期の仲間たちはそれぞれ、建築や都市計画の分野で活躍していますが、地方ですとこんな感じです。中央でしかできないこと、地方でしかできないこと、いろいろあります。

自分の周りの出来ごとを中心に、肌で感じたものごと 笑いや感動したこと 思ったこと あるときは苦悩の日々を。 ちぐはぐな文章は愛嬌ということでm(_ _)m

仕事をしていく上で、プランニングの仕事においては気持ちの部分も内容に大きく影響します。創造性のある仕事を「純粋にやっていくため」には大切な要素であると思いますので。

2010年12月28日火曜日

ブランコ




我々、大人たちが子供のころに良く遊んだブランコ。

20~30年も経つと、こんなにぼろぼろになってしまいます。
昔は、ブランコの吊り具は木製の板でした。(今では、樹脂製や金属ベースにコーティングをしてあるものがあります。)
設置されてから今まで頑張って、耐えてきましたがこんな姿になってしまいました。

今まで、何百人もの子供たちを遊ばせてきたのだろうと思います。

座板部分と吊り金具が破損してしまい、危険を伴う為に撤去されたものです。

本体は、そのまま現場(公園)に残っているので、本体が構造的に問題なければ、本体塗装をし新しい吊り具をつければ、またふたたびブランコとして遊べます。

2010年12月19日日曜日

冬の公園



休日は、家族連れでにぎわっている公園。

この時期は、陽も短く、北風も強いことから、体感温度は低く感じます。

紅葉も終わり、落ち葉も落ちきったことから陽は地面に注すのですが
寒さ感はぬぐえません。

午前10時ごろから午後2時くらいまででしたら、少しは暖かく感じるのですが、午後3時ともなると寒さ感は倍増する感じがします。今の時期日没は4時過ぎなので...。

日中にお出かけするのが、ポイントの様ですね。

2010年12月10日金曜日

陽がだいぶ短くなってきました。



今日は、夕方の空が澄んでおりました。

現場調査で公園をまわることがありますが、陽の長さが短い為かあっという間に調査できる時間が終わってしまいます。

陽の出ている時間になるべく調査をしたい場合、朝早くから現場へ行かなくてはなりませんね。

ここの公園(さくら市総合公園)、夕日の風景が良かったので写真におさめてみました。




2010年12月2日木曜日

地域別による公園への考え方の違い

今晩は、当社で現在進めております某市の公園づくりのワークショップへ出向いてきました。

そこで、感じたこと、気づいたこととして

都市部や住宅密集地においては「公園の緑や広場空間があった方が良いよね」という意見がありますが、逆に郊外ともなると、「自宅の庭の方が公園敷地よりも広いからね」という素直な意見を聞く事ができました。つまり自宅の庭で出来る遊びと同じ要素を公園へ盛り込んでも活用されないということ。

それについて、納得です。

確かに、周りに山々の緑が沢山あるわけで、公園へは周辺と同じような緑は求められていない。
緑を入れるのなら、特徴的なものを考え、周辺環境を考慮した空間づくりが必要であります。

・都心部 → 緑は貴重、広い広場はこどもの遊び場にとって重要な空間
・郊外部 → 緑や広い空間はいくらでもある。公園へは別の要素が欲しい。他にない落ち着ける空間など。

周辺にあるものと同じもの(緑や遊具、その他施設)を入れてはすぐに飽きられてしまう。
飽きないような空間づくりが重要であると感じました。

今回の貴重なご意見を基にバリアフリーを考えつつも、空間として埋没しない公園づくりを目指していこうと思います。

2010年12月1日水曜日

今日から師走です。

12月になりました。
年末へ向けて、仕事も追い込みに入る時期となっております。

社員一同、乗り越えられるよう頑張っております。

よろしくお願いいたします。

2010年11月25日木曜日

防災機能を持つ公園

近年にみられる傾向として、市街地部にある公園は防災機能を持った公園が増えています。

東京には、国営公園と都立公園とが一緒になった「東京臨海広域防災公園」という
防災公園・防災拠点があります。



ここでは、大震災時における避難手段を学べる体験施設があります。
平日は、小学生など団体で体験学習などを活用されているようです。

栃木県内でも、少しずつですが見られるようになってきました。

防災公園とは、地震などの災害時に避難、災害時キャンプをはる事ができる機能を兼ね備えた公園のことであります。
阪神・淡路大震災以降に災害時の公園のあり方が問われるようになり、防災機能が注目されるようになってきました。

防災公園には、災害トイレ(通常はマンホールの蓋しかありませんが、災害時はそこにテントや簡易便器を取り付けて臨時トイレにする)、かまどベンチ(通常はベンチとして利用、災害時は天板を外してかまどのようになるベンチのこと)、防災四阿(災害時に側面にテントをはることができる機能のあるもの)、防災倉庫(災害時に必要な備品関係を格納しておく倉庫)などがあります。

これらのものが公園にありましたら、そこは避難場所になる公園となります。

日常的には憩いの場所の公園、非日常的には災害時に対応する公園

公園にもいろんな機能があることに注目してみてください。

2010年11月21日日曜日

紅葉と市街地散策

県内の紅葉がピークを迎えようとしています。

栃木県内の観光地「日光」も駅前の市街地まで紅葉がきれいになってきました。

21日(日)は、休日ともあって、電車も多くの観光客でいっぱい。道路も渋滞となり今市方面から車の列が連なっておりました。












今日は、日光市内でさまざまなイベントが開催されており、世界遺産の門前町「日光東町界隈」では、まち歩きのスタンプラリーが開催されていました。




東武駅前広場や国道沿いの石屋町公園などでは、オープンカフェ的な空間利用として出店などが立ち並び、日光の市街地活性に一役かっておりました。


非日常的なイベントも、まちの活性化には必要なことでもあります。


日光のまちには世界遺産はもとより、門前町にも様々な要素、ドラマ、生活の風景が詰まっております。


車をとめて歩いての市街地散策や遺産めぐりは、体にいいだけでなくいろんな発見や出会いなどがありますよ。


ちなみに今日は、日光市街地の駐車場はどこもいっぱいだったようです。

2010年11月17日水曜日

照明のはなし

今日は、生活の中で欠かせない照明についてお話したいと思います。
















日ごろから目にする、オフィスや自宅の部屋の天井についている照明

照明の明るさを示すものとして、ルクスという明るさを示す単位があります。
これは、天井(だけではないですが)から地面、床下への投影された光がどれだけ明るいかを示した指標となります。

しかし、ここで地面の明るさは明るい、数値的にルクスが大きいのになんだか暗く感じる。
その逆で、地面はさほど明るくなく、数値的にルクスが小さいのに明るく感じるという現象があります。
ここで大切なことは、明るさ感があるかどうかになります。

わかりやすく言いますと、同じ照明を設置しても、壁の色、家具の色によってその部屋や空間が暗く感じる、明るく感じるというものと同じような現象のことです。
単純に明るい光源を多く設置するだけでなく、少ない光源でも効率的に明るい感を出すことが照明デザイナーの腕のみせどころでもあり、省エネにもつながります。

公園や外構空間の設計においても、これらの考えを大いに用いる必要性がありそうです。

単純にルクスの数値を高くすることだけに惑わされることなく、光の当て方、配光の仕方でだいぶその空間を明るくすることができるかがこれからの時代の鍵です。

照明についても単純に照らせばいいというわけでない、非常に奥の深いものであります。

2010年11月15日月曜日

市街地も紅葉が進んでいます。














打合せなどで、県内の様々な市町村へ出かけます。 様々な樹木が紅葉しているのが目にすることができます。


写真は、先日のさくら市役所になります。
ケヤキやハナミズキの葉などが綺麗な色になっています。

栃木県内の市街地内では、イチョウ、ユリノキなども黄葉しています。

しばらくは、秋の気配を感じられそうです。


2010年11月5日金曜日

今日のあおぞらとランドスケープの仕事

今朝は、宇都宮もだいぶ冷え込みましたね。

日中は、ぽかぽか陽気になりました。
今日は、空が綺麗に澄んでいます。

風景、光、影をデザインするのも、ランドスケープの仕事の一つであります。

かたい構造物だけ観察するのではなく、自然のやわらかさも観察し、日々感性を養っていくことがランドスケープ分野の設計をする際には求められます。

ランドスケープを土木と捉えられてしまうと、違和感を感じます。(土木の要素も空間設計には必要なことなのですが... それだけではありません。)
かたいものとやわらかいものをトータルにデザイン、設計をするのがランドスケープの仕事なのです。

生活の営み、まちの事、自然、風景... いろんな要素を考えながらやっていく仕事です。
ですから、構造物の設計ができればいいというものではないのです。
非常に奥が深いのです。

それはさておき...。

もともと、人間は自然の中に生きてきているのですから、皆様も自然のエネルギーのありがたさを感じ取ってみてはいかがでしょうか。

2010年11月4日木曜日

日光市内の風景と街並み

栃木県でも、一番ともいえる観光地「日光」












3日は、休日であったため、また紅葉の時期と重なり、多くの観光客が日光に訪れておりました。

日光の市街地もあちらこちらで、樹木の紅葉や黄葉がみられておりました。

















人の動きとしては、東武日光駅またはJR日光駅から 東町界隈を歩いて二社一寺方面へ歩いている観光客の姿がみられました。

東町界隈には、歩く観光のスポットとして休憩できる小公園がいくつかあり、足を休めることができます。

現在、駅から二社一寺までの間の門前町ともいえる東町界隈では、10/24~11/28までの期間で、「あの時の日光展」が開催されています。昔の二社一寺や東町界隈のなつかしい写真などが各店舗のディスプレイに写真展示されています。





















なつかしい、日光の風景が見れます。

二社一寺、紅葉だけでなく、それとかかわっている東町界隈のまちを同時にみていただきますと、まちを歩く楽しさが増えますよ。

東町界隈には、建築遺産としてもすばらしい建物があります。これらの建築を見る楽しさもあります。

日光の街中をあることきは、いろんな要素のある東町界隈もみてみてください。

2010年11月1日月曜日

こどもの遊び方の変化とリスク、ハザード

今の現役で働いている大人の世代が子供のころは、よく外で遊び服を泥だらけにして遊んでいる光景が見られました。時代は進み、アウトドア的な遊びがインドア的な遊びへと変化してきております。

年齢的に見ると、(一般論として)
今の50~60歳代の子供のころ → 遊具は余り無く外で虫取りや花摘みなどで遊んだ
今の40~30歳代の子供のころ → 都会のこどもはインドア傾向が徐々に進み、郊外のこどもはまだアウトドア的であった。公園ではブランコやすべり台などで遊んだ。
今の20歳代の子供のころ → ゲームなどが流行しあまり外で身体を使ってあそぶことをしなくなった。

あまり外で遊ばなくなった為か、自然と危険予知をすることができるこどもたちが少なくなっている傾向にあります。

今年の夏に行われました、「遊び場の安全に関する国際シンポジウム」では危険予知が自然と出来る子供たちがいなくなっていることを懸念して、冒険できる遊び場を創造し、こどもたちの心身の育成に貢献できるようにしようという趣旨で、遊び場の「リスク」と「ハザード」についての説明が行われました。

専門的にかかわっている業界人であれば、この「リスク」と「ハザード」の意味合いは何のことかわかるのですが、世間一般の方々は何のこと?とお思いのことかと。

遊び場における「リスク」とは
・予防できる危険なこと、命にかかわる事故は起きないこと。

遊び場における「ハザード」とは
・予防できない危険なこと、事故に結びつき命の危険にさらされること。

昔はよく、骨折をした子供や仲間が多くいましたよね。
しかし、今はそのような子供はめったに見られません。が、怪我をするときは思いっきり怪我をしてしまうという結果となっております。
(日常生活や遊びにおいて危険予知をすることが出来ない為か、昔の子供では起きなかった事故が起きているようです。)

遊具の安全設置基準というものがあり、最近の遊具ははさみこみや落下事故などの危険はとりのぞく様な仕様となっております。比較的新しい遊具は高さがあっても安心して遊ぶことが出来ます。
昭和末期ごろの遊具ですと、まだそのような基準は無かったわけで非常にスリルがある遊具となっています。(自分のこどもが遊ぶときは親が見守って、危険な場合は注意喚起してあげてください。)

どちらの遊具が優れているかは、なんとも言えません。
どのような遊具で遊ぶにしろ、その遊具の特性を把握し、こどもたちが楽しく遊べるよう親は見守ってあげてください。

最近は、子供たちへの心身の成長を促す意味合いで、自分たちで創作した遊具で遊ぶプレイパークもあります。その公園は、遊ぶ子供たちが自らの責任で遊ぶことが出来る公園です。

日本も欧米のように訴訟社会へなってきていますが、その逆に欧米では、やりすぎた訴訟が子供たちの遊び場を失う結果になっていることに懸念を示してもいます。

これから求められるものは何か?
これらの流れがきっとヒントになることかと思います。
もちろん、公園設計はこれらのことを念頭において設計をしています。

2010年10月29日金曜日

今日のあおぞら



昨日の雨があがり、日中はそらが綺麗でありました。
そらのあおさと、くも、大木と公園施設とがなんともいえないバランス。(人によって感じ方は違うと思いますが...。)






宇都宮の東となり、芳賀町の公園の光景であります。

巨大なケヤキと公園施設が綺麗に撮れた一枚です。

実は写真にうつっている公園、「あおぞら公園」といいます。

周辺が平地(田畑)で、巨大な樹木がシンボルとして目立つ公園
があまり見られないので貴重な光景です。
スケール感を感じ取ることができる公園です。

公園の表情表現には、公園施設、空間単体だけでなく、関連する空や風、公園内の緑、周辺の緑を含めてデザインする必要があります。

また、平面計画、配置だけでなく、このあたりにこんなものを置くとこういうように見えるかな とか形を想像して公園設計は進めます。

時間的余裕があり、模型をつくることができれば瞬時に空間のイメージは沸きます。
時間がなくても、普段からいろんなものを見て、肌で感じ取ることをしていれば模型をつくらなくても自分の頭のなかでイメージが沸きやすくなるでしょう。



自然の風景を取り入れた公園もいいものです。

巨大なシンボルツリーが1本あるだけでも公園風景の見え方が変わります。

メリハリがつくといった感じでしょうか。


シャープさとやわらかい、やさしさとのバランス 設計者の感性が問われます。

建築のデザインと同様に、設計する人によってきれいにできるかどうかが左右されるのが園地設計です。




【設計をしてみたい学生さんへ】


決まった法則にしたがって構造をつくること、考えることが得意な人は道路や河川などの設計の方が面白いという人もいます。


逆に、新しいものを創造する、形を考えることが好きな人は建築や空間設計が好きだという人が多いです。


よく考え、自分に納得のいく、後悔しないよう、就職活動を頑張ってください。

2010年10月24日日曜日

宇都宮の公園紹介(長岡公園)


宇都宮市の中心より少し北側へ向かったところに、長岡公園という公園があります。
ここは、自然の地形を活かした緑豊かな公園であり、木々の緑に囲まれ、居心地の良い公園です。




近隣にはカフェなどもあり、宇都宮の街中でも少し質の違った場所です。都会の中の良質な緑空間にいるかのような錯覚をも感じます。


公園内にはウォーキングを楽しむ方から、子供たちと一緒に走り回る光景、斜面の地形を活かして寝転ぶ姿など、憩いの空間として非常にポテンシャルの高い公園であります。

地形の変化があることにより、かけっこなどで重力を感じてもらうなど、子供たちの心身の成長にも一役かう事ができることかと思います。

また、地形を活かしたローラーすべり台や景色を眺めることが出来る木デッキの休憩スペースもあります。

こどもたちが安心して走り回れることが出来る公園の一つです。

2010年10月23日土曜日

大通りの盛り上がり

宇都宮の中心市街地については毎日見る機会があるのですが、人通りは昔と比べるとだいぶ減りました。




今日は、それがうそのように盛り上がった「2010ジャパンカップサイクルロードレース」が大通りを車両通行止めにして行われました。


大通りを車両通行止めにして開催されるイベントといえば、毎年夏に行われるみや祭りくらいしかありません。

今回は、日本の代表的なサイクルロードの大会であるためか多くの人々が宇都宮の中心市街地に訪れました。


中心市街地を活性化する要素の一つとして、非日常的なイベントの開催があることかと思います。
郊外化されて、人の流れが街中から少なくなっていく中、うつのみやの街、中心市街地を盛り上げるには、このようなおもしろいイベントを開催することをきっかけにして、それから波及する何かを日常空間の中に盛り込むことが出来れば...。
空間をデザインすることを仕事にしているのですから、ハードな部分だけでなくソフトな部分も含めてこれからも考えることに挑戦していきたいと思います。

2010年10月22日金曜日

外構設計とは? どういうことか?

会社では、外構空間や公園などの設計を主にしておりますが、道路や河川などの土木設計とは違った感覚で業務をこなさなければなりません。

通常の土木構造物では、基準や規則に従って形をつくっていくのでどちらかというと創造性の世界よりかは、数学や工学の世界の方が強いことが伺えます。

外構空間、公園においてもハードなものに対しては基準や規則はもちろんあります。しかし、これだけマスターすればいいかというとそうではありません。

では、空間設計をするにはどのような感覚でいなければならないのか?
土木の知識で必要なものももちろんあります。が、空間の使われ方を創造すること(ソフト面)やおさまりを考えられる思考も同時に必要となります。

新しい、振興住宅地であれば、全く新しい発想でものを造ることも可能ですが、歴史が詰まった町場の外構では、その土地の歴史や文化を考える必要があります。奥が深くなかなか難しいのです。
土木、造園、建築の観点の他に、都市計画や歴史文化の観点も必要になります。

ですから、町場の外構空間や公園空間を考える際には、いろんなことを調べ、創造する力が必要となります。ここが、通常の土木設計と違うところです。


考える項目が多岐にわたるので、簡単なように見えても実は沢山の苦労があるのが外構、公園設計なのです。

2010年10月19日火曜日

日光道の風景




栃木県の高規格道路の一つに日光道(日光宇都宮道路といいました)があります。



当時は土木的にも、風景的にも他の道路と違い、工夫が施されました。土木的には、山並みに沿って緩やかなカーブを描いている事や、周囲から道路を見たときに、あまり周辺の景観を阻害しないよう、景色に溶け込むような工夫がされました。

ドライバーからの視線からは山並みや男体山がいろんな角度で見えるよう工夫し、運転が飽きないよう、同乗者に対しては他の道路と比べ景色が楽しめるようにしたことなどがあげられます。

では、造園的な工夫としてはどうか?

植栽の配列(植え方)も人工的に植えていても自然に見えるように工夫していることを、当時の様子を知る方よりお聞きしました。
整備されたのが、昭和50年代ごろということで今と時代背景も違い、設計や施工に気合が入っている、心が入っている感じがします。

宇都宮に近い位置には、日光街道と同じように春は桜並木の花が満開となり春の景観を演出しております。(宇都宮付近は盛土構造で桜堤のような風景)
日光に近い位置には周辺の雑木と同じ樹種を植えています。(山間を抜けるような感じで切土、橋梁構造が主となり、道路と山の斜面が連なっている風景)

東北道などと違うことは、植栽が道路際まで迫っていることや、枝葉が道路の上まで伸びており緑のトンネルまではいかないにしても囲まれた感があり、緑に包まれている印象を受けます。
NEXCO管内の道路では、枝葉が道路上にあることはまず無いです。同じような高規格な道路でも性質の違いが見えますね。

2010年10月16日土曜日

鬼怒川の河川環境

栃木県を流れる代表的な川のひとつに鬼怒川(きぬがわ)があります。鬼怒川は栃木県の日光市から宇都宮市の東側を縦断し、茨城県西部を縦断した後に利根川と合流する河川であります。






現在COP10の会議が名古屋で行われていますが、その中にさくら市のカワラノギクのレポートも議題に上がっております。これは、地元の方々と国土交通省、学術研究機関などとが協力して、従来あった河川環境を再生し、守って行こうという取り組みであります。





現在鬼怒川沿線では、外来種のシナダレスズメガヤが繁茂し、在来種の植物の生息環境を圧迫した結果、ミヤコグサなど日本に古来からいるシルビアシジミという蝶の生息環境もなくなってしまっているという状況になっています。


シナダレスズメガヤがどうしてこんなに繁殖してしまったのか。

上流域の山地の法面(のりめん)の崩壊を防ぐために、コンクリートを利用した人工的な構造物の代替として、自然系の法面崩壊の保護工法としてシナダレスズメカヤの種子を吹き付けました。
(根がしっかりと張ることができ、斜面の崩壊には効果が大きい)



結果、法面の崩壊は防ぐことが出来ましたが、年月が経ちその種子が川の上流域から下流方面へ流れつき河川護岸などに多く生息する結果となっています。皮肉なことに、当時重宝されていたのが、今になって厄介者の扱いになっております。


現在は、地元の方々、高校生、大学生、小中学生などのボランティアの方々の努力により、外来種植物を除去し、カワラノギクやミヤコグサが生息できる環境が保全されつつあります。

「日本古来からある自然環境を保全していきましょう」という考えが、今になって見直されてきつつあります。農村環境整備の池などの設計においては、外来種植物を入れることを避け、日本古来のものを入れていくという考えが基本となりつつあります。これから先、街路樹や公園などの植物についても外来種の植栽制限がされてしまうことが近いかもしれませんね。

2010年10月15日金曜日

防犯灯の変化

最近、夜 郊外の歩道沿線を見てみますと、非常に明るい防犯灯を見かけることがあります。

心を落ち着かせるという効果を狙い、ブルーの明かりのものも増えているのですが、
白色蛍光灯のものよりさらに明るい防犯灯として、セラミックメタルハライドランプというものを使用した防犯灯が出てきました。いろんな電気メーカーさんで取り扱っているようです。
(蛍光灯を使用した防犯灯はなんとなく明るいといった感じですが、セラミックメタルハライドランプを使用したものは、くっきりとした明るさでシャープであります。)

防犯灯は、地域の自治体より要望を市等に出して設置するそうですが、補助金を出すところもあるそうです。あなたの街でも検討してみてはいかがでしょうか?

2010年10月14日木曜日

見た目がきれいな公園、外構をつくるには

公園や外構を設計するにあたり、設計対象となる場所に、質のいい素材のものを入れることが出来れば、それなりに見栄えの良いものは出来るのは言うまでもありません。ただ、それだけに頼っていては金額がいくらあっても足りません。また、このご時世にとっては公衆からは厳しい目で見られることとなってしまいます。こだわるものとそうでないものをバランスよく設計へ盛り込んでいくことが鍵となります。

公園整備で言えば一昔前、100の数値で整備できたとすれば、今のご時世では70~50を下回ってしまうものまであります。では、予算の少ない中で見栄えのする空間をつくるにはどうするか? いろいろと考えられることがあることでしょう。創意工夫をしながら少ない予算内でも見栄えだけはしっかりとし、機能は損なわないように配慮します。(お金の掛けられるものを入れられなければ、最終手段は平面のかっこ良さといった感じでしょうか。)

平面的に綺麗、形的にまとまっていれば比較的○、その中に立体的な工夫、景観的な見え方など盛り込むことができればなお○、地域の特性やニーズに答えられればなお○となります。

立体的に空間を見せるため、造園の手法では(建築などでも同じようなことが言えますが)フレーム効果やハハア、アイストップ、ランドマークといった立体的に景観、景色をみせる手法があります。これらのことを念頭に置き、立体的にどのように出来るかを創造しながら平面計画をすすめていくことが鍵です。
(綺麗に見せることが出来るか、利用されるものを造れるかは設計する者のセンスが少なからず影響しそうです。平面的な設計図を立体的に空想することができれば、イメージが沸きますね。出来たときの状況、情況をイメージし楽しそうな場面を創造してみてください。

→【建築や造園を目指す学生さんへ】→ 
演習課題でそのような場面に遭遇したときは、空間を創造する力を自然と出来るよう訓練してください。学生時代は考えることが出来る時間がたくさんありますので、その時期にたくさんのこと考え、いろんなことを吸収してください。将来への糧になるはずです。応用は実際に社会人になって設計の仕事をするようになれば身につきますので。)

形をこだわる余りに、使われ方を忘れて設計してしまってはもちろん×なのですが...。

2010年10月13日水曜日

外構空間、公園設計の流れ




会社では、街区公園や近隣公園、その他ポケットパークなど様々な外構空間についての設計に携わることが多いです。道路設計などの土木色の強い設計では、決まった構造により順序よく設計していくのですが、公園などの外構空間の設計では、単純に遊具や施設を感覚的に配置しているだけでは実はないのです。

「施設をどのように配置すれば、人の流れがこうなる」とかを考え、ゾーニング計画をまず行います。
ゾーニング計画は、様々な庭園手法を参考にしたものや周辺の施設の配置など外部要因を考慮し、はじめに大まかにこんな感じにしたいという考えを示します。

これは、建築やランドスケープなどを学ぶ学生さんたちが、大学の演習課題でやっているのと同じに(感覚的には)近いです。

それから、具体的にどのような施設を配置する、設置高さをどうするなど細かい設計(公園などでも細かな基準がたくさんあります)へととりかかります。この先は実際に業務に携わり、長年の経験、蓄積が必要な分野となります。

公園などの外構設計をするには、土木的な知識と建築的な知識、植物の知識など多くのことを知っていなくてはなりません。また、空間配置、使われ方などを考えるソフト的なものから、詳細の構造の取り合いなどのハード的なものも知らなくては出来ない、非常に手間のかかる仕事なのです。

(まだまだ世間的には簡単に考えられてしまっている悲しい性があります。先日の技術士一次試験にも触れられたように、π型の知識を持つ技術者でないとこなせない特殊な仕事であります。)

RLAという資格(登録ランドスケープアーキテクト)というものがあります。試験は、専門知識を問うものから、設計図を描く実技試験もあります。この資格はランドスケープ関連の設計に携わる実技者の技量を持っているかどうかを示す指標のひとつとなっています。

外構空間設計とは、完全なる土木でも建築でもない、特殊な非常に奥深いものであることを認識してくだされば幸いです。

2010年10月8日金曜日

こどもの遊び場と公園


昭和の高度成長時代において、住宅地の中に児童公園(今でいう街区公園)が多く造られました。当時は、住宅地に住むこどもたちの遊び場を提供するという意味合いからも児童公園といいました。

当時の公園は、三種の神器といって、ブランコ、鉄棒、すべり台という標準的な遊具がどの公園にもありました。それから時代は進み、近年はすべり台やうんてい、のぼり棒などいろんな要素を組み合わせたコンビネーション遊具が置かれるようになっております。遊具については時代が進むごとにどんどん進化しておりますが、子供たちの走り回れる環境は昔と比べると減ってきているかなと感じます。また、こどもたちが思いっきり遊べるような空間も減りつつあります。


公園の中にあるちょっとした起伏や築山などは、子供たちの足腰を鍛えることに有効なツールの一つです。最近はフラットな公園が多くなり、少し面白みがなくなっている感じもします。自然の地形で五感をフルに使いながら遊べる公園もこどもたちの心身の成長にとってはいい影響をあたえるはずです。


現在世の中に求められているバリアフリーデザインとの両立を図ることが出来る、面白い公園ができないものか...。公園設計を行う者は日々考えなくてはいけないかもしれませんね。