設計・計画に携わってる者から見て、公園や都市、地域空間についてや 北関東でのランドスケープデザイン・造園外構設計の現状、身のまわりの出来事から思ったこと、日常の話題など気持ちまで含めてざっくばらんにレポート、つぶやいていきます。
(都市部より未熟な点もあれば、その逆もある。)


【東北芸工大 環境D 3期生のいま】

同期の仲間たちはそれぞれ、建築や都市計画の分野で活躍していますが、地方ですとこんな感じです。中央でしかできないこと、地方でしかできないこと、いろいろあります。

自分の周りの出来ごとを中心に、肌で感じたものごと 笑いや感動したこと 思ったこと あるときは苦悩の日々を。 ちぐはぐな文章は愛嬌ということでm(_ _)m

仕事をしていく上で、プランニングの仕事においては気持ちの部分も内容に大きく影響します。創造性のある仕事を「純粋にやっていくため」には大切な要素であると思いますので。

2010年10月29日金曜日

今日のあおぞら



昨日の雨があがり、日中はそらが綺麗でありました。
そらのあおさと、くも、大木と公園施設とがなんともいえないバランス。(人によって感じ方は違うと思いますが...。)






宇都宮の東となり、芳賀町の公園の光景であります。

巨大なケヤキと公園施設が綺麗に撮れた一枚です。

実は写真にうつっている公園、「あおぞら公園」といいます。

周辺が平地(田畑)で、巨大な樹木がシンボルとして目立つ公園
があまり見られないので貴重な光景です。
スケール感を感じ取ることができる公園です。

公園の表情表現には、公園施設、空間単体だけでなく、関連する空や風、公園内の緑、周辺の緑を含めてデザインする必要があります。

また、平面計画、配置だけでなく、このあたりにこんなものを置くとこういうように見えるかな とか形を想像して公園設計は進めます。

時間的余裕があり、模型をつくることができれば瞬時に空間のイメージは沸きます。
時間がなくても、普段からいろんなものを見て、肌で感じ取ることをしていれば模型をつくらなくても自分の頭のなかでイメージが沸きやすくなるでしょう。



自然の風景を取り入れた公園もいいものです。

巨大なシンボルツリーが1本あるだけでも公園風景の見え方が変わります。

メリハリがつくといった感じでしょうか。


シャープさとやわらかい、やさしさとのバランス 設計者の感性が問われます。

建築のデザインと同様に、設計する人によってきれいにできるかどうかが左右されるのが園地設計です。




【設計をしてみたい学生さんへ】


決まった法則にしたがって構造をつくること、考えることが得意な人は道路や河川などの設計の方が面白いという人もいます。


逆に、新しいものを創造する、形を考えることが好きな人は建築や空間設計が好きだという人が多いです。


よく考え、自分に納得のいく、後悔しないよう、就職活動を頑張ってください。

2010年10月24日日曜日

宇都宮の公園紹介(長岡公園)


宇都宮市の中心より少し北側へ向かったところに、長岡公園という公園があります。
ここは、自然の地形を活かした緑豊かな公園であり、木々の緑に囲まれ、居心地の良い公園です。




近隣にはカフェなどもあり、宇都宮の街中でも少し質の違った場所です。都会の中の良質な緑空間にいるかのような錯覚をも感じます。


公園内にはウォーキングを楽しむ方から、子供たちと一緒に走り回る光景、斜面の地形を活かして寝転ぶ姿など、憩いの空間として非常にポテンシャルの高い公園であります。

地形の変化があることにより、かけっこなどで重力を感じてもらうなど、子供たちの心身の成長にも一役かう事ができることかと思います。

また、地形を活かしたローラーすべり台や景色を眺めることが出来る木デッキの休憩スペースもあります。

こどもたちが安心して走り回れることが出来る公園の一つです。

2010年10月23日土曜日

大通りの盛り上がり

宇都宮の中心市街地については毎日見る機会があるのですが、人通りは昔と比べるとだいぶ減りました。




今日は、それがうそのように盛り上がった「2010ジャパンカップサイクルロードレース」が大通りを車両通行止めにして行われました。


大通りを車両通行止めにして開催されるイベントといえば、毎年夏に行われるみや祭りくらいしかありません。

今回は、日本の代表的なサイクルロードの大会であるためか多くの人々が宇都宮の中心市街地に訪れました。


中心市街地を活性化する要素の一つとして、非日常的なイベントの開催があることかと思います。
郊外化されて、人の流れが街中から少なくなっていく中、うつのみやの街、中心市街地を盛り上げるには、このようなおもしろいイベントを開催することをきっかけにして、それから波及する何かを日常空間の中に盛り込むことが出来れば...。
空間をデザインすることを仕事にしているのですから、ハードな部分だけでなくソフトな部分も含めてこれからも考えることに挑戦していきたいと思います。

2010年10月22日金曜日

外構設計とは? どういうことか?

会社では、外構空間や公園などの設計を主にしておりますが、道路や河川などの土木設計とは違った感覚で業務をこなさなければなりません。

通常の土木構造物では、基準や規則に従って形をつくっていくのでどちらかというと創造性の世界よりかは、数学や工学の世界の方が強いことが伺えます。

外構空間、公園においてもハードなものに対しては基準や規則はもちろんあります。しかし、これだけマスターすればいいかというとそうではありません。

では、空間設計をするにはどのような感覚でいなければならないのか?
土木の知識で必要なものももちろんあります。が、空間の使われ方を創造すること(ソフト面)やおさまりを考えられる思考も同時に必要となります。

新しい、振興住宅地であれば、全く新しい発想でものを造ることも可能ですが、歴史が詰まった町場の外構では、その土地の歴史や文化を考える必要があります。奥が深くなかなか難しいのです。
土木、造園、建築の観点の他に、都市計画や歴史文化の観点も必要になります。

ですから、町場の外構空間や公園空間を考える際には、いろんなことを調べ、創造する力が必要となります。ここが、通常の土木設計と違うところです。


考える項目が多岐にわたるので、簡単なように見えても実は沢山の苦労があるのが外構、公園設計なのです。

2010年10月19日火曜日

日光道の風景




栃木県の高規格道路の一つに日光道(日光宇都宮道路といいました)があります。



当時は土木的にも、風景的にも他の道路と違い、工夫が施されました。土木的には、山並みに沿って緩やかなカーブを描いている事や、周囲から道路を見たときに、あまり周辺の景観を阻害しないよう、景色に溶け込むような工夫がされました。

ドライバーからの視線からは山並みや男体山がいろんな角度で見えるよう工夫し、運転が飽きないよう、同乗者に対しては他の道路と比べ景色が楽しめるようにしたことなどがあげられます。

では、造園的な工夫としてはどうか?

植栽の配列(植え方)も人工的に植えていても自然に見えるように工夫していることを、当時の様子を知る方よりお聞きしました。
整備されたのが、昭和50年代ごろということで今と時代背景も違い、設計や施工に気合が入っている、心が入っている感じがします。

宇都宮に近い位置には、日光街道と同じように春は桜並木の花が満開となり春の景観を演出しております。(宇都宮付近は盛土構造で桜堤のような風景)
日光に近い位置には周辺の雑木と同じ樹種を植えています。(山間を抜けるような感じで切土、橋梁構造が主となり、道路と山の斜面が連なっている風景)

東北道などと違うことは、植栽が道路際まで迫っていることや、枝葉が道路の上まで伸びており緑のトンネルまではいかないにしても囲まれた感があり、緑に包まれている印象を受けます。
NEXCO管内の道路では、枝葉が道路上にあることはまず無いです。同じような高規格な道路でも性質の違いが見えますね。

2010年10月16日土曜日

鬼怒川の河川環境

栃木県を流れる代表的な川のひとつに鬼怒川(きぬがわ)があります。鬼怒川は栃木県の日光市から宇都宮市の東側を縦断し、茨城県西部を縦断した後に利根川と合流する河川であります。






現在COP10の会議が名古屋で行われていますが、その中にさくら市のカワラノギクのレポートも議題に上がっております。これは、地元の方々と国土交通省、学術研究機関などとが協力して、従来あった河川環境を再生し、守って行こうという取り組みであります。





現在鬼怒川沿線では、外来種のシナダレスズメガヤが繁茂し、在来種の植物の生息環境を圧迫した結果、ミヤコグサなど日本に古来からいるシルビアシジミという蝶の生息環境もなくなってしまっているという状況になっています。


シナダレスズメガヤがどうしてこんなに繁殖してしまったのか。

上流域の山地の法面(のりめん)の崩壊を防ぐために、コンクリートを利用した人工的な構造物の代替として、自然系の法面崩壊の保護工法としてシナダレスズメカヤの種子を吹き付けました。
(根がしっかりと張ることができ、斜面の崩壊には効果が大きい)



結果、法面の崩壊は防ぐことが出来ましたが、年月が経ちその種子が川の上流域から下流方面へ流れつき河川護岸などに多く生息する結果となっています。皮肉なことに、当時重宝されていたのが、今になって厄介者の扱いになっております。


現在は、地元の方々、高校生、大学生、小中学生などのボランティアの方々の努力により、外来種植物を除去し、カワラノギクやミヤコグサが生息できる環境が保全されつつあります。

「日本古来からある自然環境を保全していきましょう」という考えが、今になって見直されてきつつあります。農村環境整備の池などの設計においては、外来種植物を入れることを避け、日本古来のものを入れていくという考えが基本となりつつあります。これから先、街路樹や公園などの植物についても外来種の植栽制限がされてしまうことが近いかもしれませんね。

2010年10月15日金曜日

防犯灯の変化

最近、夜 郊外の歩道沿線を見てみますと、非常に明るい防犯灯を見かけることがあります。

心を落ち着かせるという効果を狙い、ブルーの明かりのものも増えているのですが、
白色蛍光灯のものよりさらに明るい防犯灯として、セラミックメタルハライドランプというものを使用した防犯灯が出てきました。いろんな電気メーカーさんで取り扱っているようです。
(蛍光灯を使用した防犯灯はなんとなく明るいといった感じですが、セラミックメタルハライドランプを使用したものは、くっきりとした明るさでシャープであります。)

防犯灯は、地域の自治体より要望を市等に出して設置するそうですが、補助金を出すところもあるそうです。あなたの街でも検討してみてはいかがでしょうか?

2010年10月14日木曜日

見た目がきれいな公園、外構をつくるには

公園や外構を設計するにあたり、設計対象となる場所に、質のいい素材のものを入れることが出来れば、それなりに見栄えの良いものは出来るのは言うまでもありません。ただ、それだけに頼っていては金額がいくらあっても足りません。また、このご時世にとっては公衆からは厳しい目で見られることとなってしまいます。こだわるものとそうでないものをバランスよく設計へ盛り込んでいくことが鍵となります。

公園整備で言えば一昔前、100の数値で整備できたとすれば、今のご時世では70~50を下回ってしまうものまであります。では、予算の少ない中で見栄えのする空間をつくるにはどうするか? いろいろと考えられることがあることでしょう。創意工夫をしながら少ない予算内でも見栄えだけはしっかりとし、機能は損なわないように配慮します。(お金の掛けられるものを入れられなければ、最終手段は平面のかっこ良さといった感じでしょうか。)

平面的に綺麗、形的にまとまっていれば比較的○、その中に立体的な工夫、景観的な見え方など盛り込むことができればなお○、地域の特性やニーズに答えられればなお○となります。

立体的に空間を見せるため、造園の手法では(建築などでも同じようなことが言えますが)フレーム効果やハハア、アイストップ、ランドマークといった立体的に景観、景色をみせる手法があります。これらのことを念頭に置き、立体的にどのように出来るかを創造しながら平面計画をすすめていくことが鍵です。
(綺麗に見せることが出来るか、利用されるものを造れるかは設計する者のセンスが少なからず影響しそうです。平面的な設計図を立体的に空想することができれば、イメージが沸きますね。出来たときの状況、情況をイメージし楽しそうな場面を創造してみてください。

→【建築や造園を目指す学生さんへ】→ 
演習課題でそのような場面に遭遇したときは、空間を創造する力を自然と出来るよう訓練してください。学生時代は考えることが出来る時間がたくさんありますので、その時期にたくさんのこと考え、いろんなことを吸収してください。将来への糧になるはずです。応用は実際に社会人になって設計の仕事をするようになれば身につきますので。)

形をこだわる余りに、使われ方を忘れて設計してしまってはもちろん×なのですが...。

2010年10月13日水曜日

外構空間、公園設計の流れ




会社では、街区公園や近隣公園、その他ポケットパークなど様々な外構空間についての設計に携わることが多いです。道路設計などの土木色の強い設計では、決まった構造により順序よく設計していくのですが、公園などの外構空間の設計では、単純に遊具や施設を感覚的に配置しているだけでは実はないのです。

「施設をどのように配置すれば、人の流れがこうなる」とかを考え、ゾーニング計画をまず行います。
ゾーニング計画は、様々な庭園手法を参考にしたものや周辺の施設の配置など外部要因を考慮し、はじめに大まかにこんな感じにしたいという考えを示します。

これは、建築やランドスケープなどを学ぶ学生さんたちが、大学の演習課題でやっているのと同じに(感覚的には)近いです。

それから、具体的にどのような施設を配置する、設置高さをどうするなど細かい設計(公園などでも細かな基準がたくさんあります)へととりかかります。この先は実際に業務に携わり、長年の経験、蓄積が必要な分野となります。

公園などの外構設計をするには、土木的な知識と建築的な知識、植物の知識など多くのことを知っていなくてはなりません。また、空間配置、使われ方などを考えるソフト的なものから、詳細の構造の取り合いなどのハード的なものも知らなくては出来ない、非常に手間のかかる仕事なのです。

(まだまだ世間的には簡単に考えられてしまっている悲しい性があります。先日の技術士一次試験にも触れられたように、π型の知識を持つ技術者でないとこなせない特殊な仕事であります。)

RLAという資格(登録ランドスケープアーキテクト)というものがあります。試験は、専門知識を問うものから、設計図を描く実技試験もあります。この資格はランドスケープ関連の設計に携わる実技者の技量を持っているかどうかを示す指標のひとつとなっています。

外構空間設計とは、完全なる土木でも建築でもない、特殊な非常に奥深いものであることを認識してくだされば幸いです。

2010年10月8日金曜日

こどもの遊び場と公園


昭和の高度成長時代において、住宅地の中に児童公園(今でいう街区公園)が多く造られました。当時は、住宅地に住むこどもたちの遊び場を提供するという意味合いからも児童公園といいました。

当時の公園は、三種の神器といって、ブランコ、鉄棒、すべり台という標準的な遊具がどの公園にもありました。それから時代は進み、近年はすべり台やうんてい、のぼり棒などいろんな要素を組み合わせたコンビネーション遊具が置かれるようになっております。遊具については時代が進むごとにどんどん進化しておりますが、子供たちの走り回れる環境は昔と比べると減ってきているかなと感じます。また、こどもたちが思いっきり遊べるような空間も減りつつあります。


公園の中にあるちょっとした起伏や築山などは、子供たちの足腰を鍛えることに有効なツールの一つです。最近はフラットな公園が多くなり、少し面白みがなくなっている感じもします。自然の地形で五感をフルに使いながら遊べる公園もこどもたちの心身の成長にとってはいい影響をあたえるはずです。


現在世の中に求められているバリアフリーデザインとの両立を図ることが出来る、面白い公園ができないものか...。公園設計を行う者は日々考えなくてはいけないかもしれませんね。