那須町芦野の田園風景。
ここの風景はなんだか懐かしく、私が昔学生のときに研究の一環で訪問いたしました山形県の大石田町や北村山地方の風景とも似たような印象を受けました。
そして、田園風景については、自分の育った千葉県香取市とも似たようなところがある感じもして...。
往時の集落(まちなみ)の骨格が残っている芦野地区。
もともとは、芦野町として独立した行政域でもありましたが、昭和29年に那須村、芦野町、伊王野村とが合併し、現在の那須町が形成されております。往時においては、白河へ抜ける奥州街道筋でもあり城下町、宿場町として栄えた地でありました。
現在は、那須といえば那須高原、リゾート、避暑地、御用邸などを思い浮かべる方も多いと思いますが、那須町東側の芦野地区は昔から積み重なった歴史が詰まった地域であります。
そして、学生のときに研究フィールドとして足を運んだ山形県の大石田町と同じように芭蕉ゆかりの地でもあります。
芭蕉が俳句を詠むということは、そこの風景に魅力があるということではないでしょうか。
自分の学生時代の卒業制作で河岸集落の活性化計画を作成し、地域の皆さんの前でゼミ生みんなでお披露目をし、地元以外の新しい視点、地元にいれば当たり前のことも、他から見れば光輝いているものなのだという形で、自分たちの(なにげない)文化資源においても自信を持って!ということからも提案した記憶があります。
「自分たちの誇れる地域をつくっていくこと」
それは、人々がイキイキと生活でき、交流をし、笑顔が地域にあふれていること。
そして、自然や歴史、文化を感じ、感性豊かな人間が育つこと。
のように思えます。
風景自体を、その地域の価値として捉えること。
今、都市化が進んでしまった地域で失われてしまった風景がたくさんありますが、それが残っていることは貴重な財産が残っているということです。
人口の減少時代において、都心居住というものは効率的ではある一方、そこには無いものが田舎にはある。
都心居住においては、感性を育む要素が不足しているようにも思えます。
田舎の価値というものは、人々のふれあいや、心の豊かさ、ある意味感受性を高めることには優位な状況でもあります。
丁度いい都市、集落というものは、意外と地方都市にあったりするものですよね。
都心のように沢山の要素があるわけでもないけど、なにか心が惹かれるものがあったりします。
それが、都心の方々が田舎へ来訪し、心うたれるということなのかもしれません。
忙しく生活している都心住民は、心のふるさと、よりどころを求めているのかもしれませんね。
(地方のありかた、地方の存在価値のヒントになることでしょう)