設計・計画に携わってる者から見て、公園や都市、地域空間についてや 北関東でのランドスケープデザイン・造園外構設計の現状、身のまわりの出来事から思ったこと、日常の話題など気持ちまで含めてざっくばらんにレポート、つぶやいていきます。
(都市部より未熟な点もあれば、その逆もある。)


【東北芸工大 環境D 3期生のいま】

同期の仲間たちはそれぞれ、建築や都市計画の分野で活躍していますが、地方ですとこんな感じです。中央でしかできないこと、地方でしかできないこと、いろいろあります。

自分の周りの出来ごとを中心に、肌で感じたものごと 笑いや感動したこと 思ったこと あるときは苦悩の日々を。 ちぐはぐな文章は愛嬌ということでm(_ _)m

仕事をしていく上で、プランニングの仕事においては気持ちの部分も内容に大きく影響します。創造性のある仕事を「純粋にやっていくため」には大切な要素であると思いますので。

2012年6月10日日曜日

実施設計って何ぞや? 学生課題と実務の接点は?

私が学生の頃、就職活動等で「実施設計を行う会社」ということが、いまいちよくわかりませんでした。
学生の頃、オープンデスクでお世話になりました都内の研究所(コンサル)においては、どちらかというと調査や計画(もちろん設計もありましたが)、大学で学んできたことに近い感じがして、都市や生活環境の設計を行う会社はこれらのコンサルと同じようなのかなとも思っていたりもしました。

建築分野では、実際に詳細の図面(意匠、構造、設備)を設計事務所やハウスメーカーなどでやるのだろうとも無知ながらに感じておりましたが、都市計画やまちづくり、空間デザイン分野での、コンサルで行う実施設計についてはどんな感じなのかはよくわからなかった...。



そんな中、就職してはじめて(少しずつ)わかってきたというのが実情でした。

自分のときは、未だ大学も開学当初の状態(自分も3期生ですし...)、先輩方からどんな仕事なのかを聞く機会もほぼ皆無なわけで。当時は、どういうように聞いていいかもわからなかった状況。
思い返せば、もちろんのこと、先輩方もほぼ新人なわけで後輩へ教える機会もなかなか無かったのも実情で。

当然ながら、最初はカルチャーショック、強烈なパンチとを喰らった感じでした。ギャップというものです。デザイン的思考も大学では理解されても、地方いちコンサルでは理解されない?

学生時代に学んだ設計・デザインの課題と社会で行う設計とがどう結びついていくのかが最初は理解不能でした。


(↑そんなことでも ある意味貴重な経験でして...)
今は、自分としては学生時代の疑問から仕事がどのように関連づいてくるかを、オープンデスク(インターンシップ)で来られた母校学生さんへは、実際の仕事はこんなことをやるんだよ。こういうことが必要なんだよ。というように教えることが可能です。
少しでも、ギャップと衝撃を和らげること、学生時代に学んできたことと、社会にでてからの仕事がどのようにリンクしてくるかを理解していだたく、体験していただくことをオープンデスク(インターンシップ)の目的のひとつとしています。


では、ここで問題

大学で学んだ都市、建築やランドスケイプデザイン演習課題は、実務でいえばどんな場面のことをいうのでしょうか。
(自分の母校学科の場合を想定すると...)




(答えとして それぞれ感じ方は違うと思いますが...)
プロポーザルやコンペの分野
基本構想の分野
提案書作成の分野
実際の仕事の考え方(つかみ)の分野 など
が考えられます。


ある意味、学生さんに「実施設計」といっても正直どんなことかわかりませんよね。
設計・デザイン演習課題≒実施設計? と思ったりもしてしまいます。
全体像が見えてこない(実際の仕事の経験も少ない)でしょうから、なおさら理解がしにくい。

実施設計で求められるものとしては、上位計画(基本構想、基本計画、基本設計を経て)に基いた設計で、わかりやすく言えば、工事が出来る図面、数量、工事費までを作成するもの。そして設計の構造的根拠や理論の整理も必要(本当は基本設計でもやるのだけど)な設計分野です。


→大学の演習課題でその流れを一通り経験出来るのであれば、それは将来においての仕事の武器にもなりえます。 (全体の流れや要点がわかっていれば、後々実務に就いたときに応用が利くようになる)

(空間設計、ランドスケイプ分野では、様々な要素を考慮しなくてはならず、植栽だけでなく、素材のこと、空間のおさまりのこと、上下水電気などのインフラのこと、全体をひいてみてみると歴史性やまち全体のことまで考えることもしばしば。
とにかく、いろんな知識が必要な分野(大きいものから小さいものまで見ることが必要な分野)ですから。)


実際の仕事では、それぞれの分野が奥深く、理想と現実のギャップを感じたり、どのように埋め合わせていくかを考えなくてはいけません。
つかみの知識や感覚を養う機会が無くて、いきなり設計をする状況の方もいらっしゃるので、学生時代に設計・デザインの課題をこなしてきたのであれば、気負いする必要はあまりない!
後々の視野が広がってよう、モノゴトを考えていくことを訓練してきたわけですから。
(それが強みだと思ったほうがいいです。)

そう思いつつも、いまだにわからないことも沢山あります。
少しずつですが、携わった仕事から少しでも知識と経験を吸収できるよう努力しながらこなしているのが実情です。
どういう分野であれ、現役で働いている以上、常に勉強なのですよ。
(学生時代はウォーミングアップ、社会に出てからが本番!)

いつでも現在進行中といった感じでしょうね。