地域において、歴史の感じるところ、居心地のよいところ、自然を感じるところ、趣を感じるところなど様々なその土地にしか無いものがあります。
地域が寂れていくに従って、新しいものをつくろうと考えがちですが、これからの時代においては、単に新しいもので置き換えるだけでは根本的な問題の解決にはならないことが伺えます。
建物にしてもそう、まちの空間にしてもそうです。
局所的に改変したとしても、根本的なまちの構造(空間のほかに、地域雇用、観光、歴史、生活文化のことまで含めて)をトータルに考えていくことが必要なのです。
それぞれの専門とされる方々が、それぞれの利権だけのために「これが必要だ」という議論だけで平行線をたどっていてはなんの解決にもならない。
また、トータルデザイン不在の地域活性化計画ともなり、 結局なんの解決にも至らないことも伺えます。
そのことが、取り返しの付かない後悔へともつながってしまうような気がしてなりません。
地域活性化の計画というのは、上からの一方通行では策定してもあまり効果は得られない。
結局のところは、地域を活性化する主役というのは、そこの地域に暮らす住民でもありますので、住民のやる気を引き出すこと、意識改革を行うことが大切です。
行政が全てをやるという意識が地方ではおおいにありますが、行政のやるべきことと、住民の活力を活かしていくところをこれから整理していく必要がありそうです。
住民の創意工夫については、最大限サポートできるような仕組みが必要!
自分の知っている範囲では、創意工夫でやりたいのだけど、資金が無いという悩みを様々なところから聞きます。
いち組織がそれを押さえ込むようなことでは、せっかくの創造的思考の発展、地域に活力を与えることに水を差すようなものでもあり。
いろんな角度から、大切なものは何なのか? 工夫して利用していかなくてはならないものは何であるのかを考えていく必要があります。
例えば、歴史的に趣のある空間が保存されている地域では、いろんな方のご尽力により、何とか法を解決し、秩序を保ちながら実践していることからまとまった地域空間、景観が保全、そして活用されている地域があります。
ポイントの保存や改変だけでも効果は弱い。
全体的な整備を仮にやったとしても、際立つもの、話題のものが全く無いのも、のっぺらぼうな感じもし弱いと感じたりもします。
それは、点だけでなく、線へとつながり、面へと広がっていく都市の空間構造です。
都市の目で見える形だけでなく、それを活用、運用していくための仕組みまで考えていくことが地域やまちを考えていくこと。
公園一つにしても、単にその空間、目で見える形だけを考えればいいのではなく、その地域に必要な要素を組み込んだ計画や事業を行うことが本来の姿ではないでしょうか。
全く何も無いところから、考えをゼロにして新しいものをつくるのも良いのですが、周辺環境のことや時代が培ってきたものを見据えながら計画をしていく、つくっていくことが本当は大切なことですね。
そんなことを、頭の片隅におきながら現実と向き合い、どのように切り込んでいくかを日々構築中です。