設計・計画に携わってる者から見て、公園や都市、地域空間についてや 北関東でのランドスケープデザイン・造園外構設計の現状、身のまわりの出来事から思ったこと、日常の話題など気持ちまで含めてざっくばらんにレポート、つぶやいていきます。
(都市部より未熟な点もあれば、その逆もある。)


【東北芸工大 環境D 3期生のいま】

同期の仲間たちはそれぞれ、建築や都市計画の分野で活躍していますが、地方ですとこんな感じです。中央でしかできないこと、地方でしかできないこと、いろいろあります。

自分の周りの出来ごとを中心に、肌で感じたものごと 笑いや感動したこと 思ったこと あるときは苦悩の日々を。 ちぐはぐな文章は愛嬌ということでm(_ _)m

仕事をしていく上で、プランニングの仕事においては気持ちの部分も内容に大きく影響します。創造性のある仕事を「純粋にやっていくため」には大切な要素であると思いますので。

2011年11月19日土曜日

自然環境の再生 と その話からわかること

11/17、18と、自然再生セミナーの講習会に参加してきました。

内容は、自然と人間のかかわり~自然との共生、里地里山環境にいたるところまで...。

講義を聞いていると、自然再生にかかわることだけでなく、まちづくりや現代の人々においての生活のことまで関連づいていることがよくわかります。

その中で、感じたことなどについて。

「田んぼ、里地里山の環境」の話
東洋の文化は、自然との共生により成り立っていた。
昔の田んぼには、カエルやドジョウが住んでおり、イナゴもいた。
最 近の農業は害虫駆除を目的に農薬を使用し、稲を育てることだけを考えているが、昔の環境では、多様な生物の性質を利用し(共存し)、鳥が虫を食べるなど で、害虫の駆除を自然の食物連鎖で行っており、間接的には東アジア全域の野鳥の生息環境までも維持していることに繋がっている。
そして人間の生活環境、食料の自給にかかわるところまで。

そういえば、子供のころはイナゴをとって、近所の商店に小遣い稼ぎで売りに行ったこともあったりした。学生のころにお世話になった山形の家庭料理においては、イナゴのつくだ煮や鯉の甘露煮などをいただいたこともある。ある意味、田んぼの環境で生まれる(半分自然の力で生産される)自然の恵みを余すことなく頂くことで、食物のサイクルを回していたことにもなっている。

イナゴも湯で茹でると、エビみたくオレンジ色になる(そうです)。
形は受け付けない方もいると思うが、食するとイナゴの佃煮はおいしいのである。

彼岸花が田んぼに植えられている光景もみられ、飢きんのときは球根を(毒抜きして)食していたということも...。

先人たちの、自然と共生しながら生きてきたことはある意味、エコに繋がっている感じがしました。


「自然環境全般」の話
自然再生という行為に関して、局所的にしか見ていない、ある意味特定のものだけをひいきにする状況が見られるが、これだと本来の自然再生とはいえない。
ある種の動植物や生息環境を保全しようとした場合においても、それと密接に関連する環境まで、広く見ないと、その目的としている環境の保全は出来なく、失敗してしまう。

広い視野で、人間の生活文化のことや、公園が動植物の生息に与えている影響、都市づくりの観点も考慮して考えていくことが、人間と自然とのかかわりを考えていくことに繋がってくるのである。

まちづくりや都市計画の分野においても、計画をたてても実際のものとは程遠い実現不可能なものを計画してしまったり、ものや環境をつくるにしても、無秩序なものを形成してしまったりと局地的にしかものごとを見ていないことが、失敗あるいは現状からあまりかわらないものをつくってしまうことになってしまう。

「いろんな相関関係を理解することが重要である。」ということがわかってきます。



【自然環境の再生の設計は?】
土木や造園などの実施設計においては、一般的考えでは、設計図を忠実に再現することに趣が置かれがちであります。
しかし、自然の再生ではその考えは通用しません。自然再生の分野では、設計はあくまでもそれをサポート、保全するものとしてとらえなくてはいけません。

どういうことか?

実際には、現場の日々変わっていく状況をみて、現場で最善の施工方法を探っていくことが重要なのです。設計は、あくまでも方向性を指し示すものであり、構造物の設置の位置を細かく限定するものではないのです。

自然再生の設計は、現地の調査から設計、そして施工(管理)まで含めて行うこと、日々の自然と関わる活動を通じて学んでいくことが重要で、机上だけではできないということがわかります。ある意味、基準だけ、土木造園技術だけを知っているだけではできない分野ともいえます。
農業に従事する方でしたら、普段の畑仕事や農作業の実務が活かせることでしょうし、自然観察や土いじりなどから考え、創意工夫をしてやっていくことがこの「自然再生」という分野の仕事に必要なこととなります。


基準書だけを忠実に守っていく設計や施工では、自然再生の目的は果たすことが難しいです。
自然再生の分野は様々な考えが入り混じり、発展途上なところもあり、日々進化しているところでもあります。
これらを理解してやっていくことが自然とうまくつきあうことのできた設計・施工方法なのかもしれませんね。
(総括としては、基準だけにとらわれない考え方を身につけることが重要で、自然をコントロールする考えから、自然と共生していく考えを如何に理解し実行に移すことができるかだと思います。)

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※ その講演会での話で、どんなことでも当てはまると思いますが、組織のリーダー、社長となりうる方々は、(仕事とも両立し)率先して社会貢献活動をすることが重要だということが話題としてあがりました。
世は、口だけで指示している技術者よりも、率先して実践し、目で見える形で示す方が、説得力もあり、それがカリスマともなり人がついて来てくれるということなのだろうと思います。

部下などの手柄、積み立ててきたものを一瞬のうちに自分の手柄のようにしてしまう技術者は、メッキをしているようなもの。すぐに化けの皮が剥がれ信用を失います。

そうならないように、芯をもって、信念を持ってやっていくこと(実行していくこと)が大切です。