設計・計画に携わってる者から見て、公園や都市、地域空間についてや 北関東でのランドスケープデザイン・造園外構設計の現状、身のまわりの出来事から思ったこと、日常の話題など気持ちまで含めてざっくばらんにレポート、つぶやいていきます。
(都市部より未熟な点もあれば、その逆もある。)


【東北芸工大 環境D 3期生のいま】

同期の仲間たちはそれぞれ、建築や都市計画の分野で活躍していますが、地方ですとこんな感じです。中央でしかできないこと、地方でしかできないこと、いろいろあります。

自分の周りの出来ごとを中心に、肌で感じたものごと 笑いや感動したこと 思ったこと あるときは苦悩の日々を。 ちぐはぐな文章は愛嬌ということでm(_ _)m

仕事をしていく上で、プランニングの仕事においては気持ちの部分も内容に大きく影響します。創造性のある仕事を「純粋にやっていくため」には大切な要素であると思いますので。

2011年11月21日月曜日

地方のRLAが果たすべき役割 と 地方有資格者の資質の改善を

【はじめに】

「RLA」といってもどんな資格なのかわからない方々は沢山いることかと思います。

RLAとは、「登録ランドスケープアーキテクト」 といいまして、(規模が大きい、小さいに限らず)ランドスケープ全般の計画や設計をする技術者の資格のことをいいます。

建築でいえば、代表的なのが「一級建築士」
土木や都市計画などの分野でいえば「技術士」
といった感じでしょうか。

ランドスケープで言えば、「一級造園施工管理技士」などが造園系の資格でありますが、どちらかというと施工的要素の資格となり、設計の資格がありませんでした。

土木系の資格では、RCCMという シビルコンサルティングマネジャー という資格もありますね。


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【では本題のRLAとは】

地方ではまだまだ珍しい、RLA(登録ランドスケープアーキテクト) という資格。
空間を広くデザインする、設計をする技術者のことであります。

大阪を中心とする関西圏や、東京、神奈川を中心とする南関東圏においては、様々なプロジェクトにかかわる技術者が活躍し、外構などのデザインに取組むことが出来る、経験することができる場というものが多くあります。都市部でランドスケープ系の仕事をする方々にRLAの有資格者が多いことは必然的なものなのかもしれません。

地方(関東でも北関東圏)においては、南関東と比べ人口比率も1/5程度となってしまいプロジェクトの数にも限りがあるのが現状です。

少ないプロジェクトの中で、公園や外構などのデザインを問われる設計に対して、専門的な技術者がかかわることができればまだいいのですが、せっかくのプロジェクトなのに、空間をデザインする志向が重視されず、画一的な土木的技術のみで空間が形成されてしまうことには残念でなりません。



公園や外構などのまちなかの空間は、コミュニティーが形成される場所でもあり、単純に空間を提供すればいいものではないのです。

【では、何が足りないのか?】

農村の計画をするにしても、まちばの空間をデザインするにしても、土木的技術、建設技術はハード的要素で用いることがありますが、かたちをデザインすること、ソフト的な仕組みなどをつくっていくことも忘れてはならない要素であります。

空間の設計、空間のデザインは、単純に規格、基準どおりに設計する機械設計とは考え方が異なります。規準どおりに機械的に設計を行って良いところと、創造力を働かせるところの二面性を持って取組まなくてはいけません。

地方の空間デザインの技術者に足りないものは、空間を創造する力だと思います。まだまだ、土木技術的なことに着眼点が強く、空間デザイン的な思考が育っていません。

 地方に就職して、地方ならではのデザインを展開していくことが必要だと思い、地方へ飛び込みましたが、問題意識のずれなのかなかなか理解されずに歯がゆい思いをしております。
いままで、デザイン的な、創造的な思考が育っていなかった土壌だったのかもしれません...。

地方に限らず多くの市町村では、土木担当行政官が空間の設計を監修することがあります。土木技術に詳しい方に、いきなり空間デザイン論をぶつけても考え方 が飛躍しすぎてしまい、なかなか理解できないのが現状です。技術的なことを踏まえつつ(理解を促しながらも)、デザインのことへ発展させる説明の工夫が必要となります。 

大学で環境デザインを学んできたことが、逆にそう思わせてしまっているのかもしれませんが、画一的な設計は面白みや空間創造のワクワク感が得られることがありません。
せっかく、いろんな意味で設計をするのなら、過去よりいいもの、役に立つもの、喜ばれるものを創っていった(造っていった)方が、建設的なのではないのでしょうか。


【いままで見られた地方有資格者の状況として】

地方の技術者の中には、資格を取得できたことでゴール地点となってしまい、そのこと自体を名誉にしてしまう技術者もいます。

しかし、ちょっと待って! 資格を取得する意義や本質は違うところにあります。

これからの時代を担う、我々の世代の技術者や若手技術者には資格を取得したら、資格を名乗ることはできても本番はこれからだ、「スタートライン」にはじめて立ったということを認識し、日々知識の研鑽、いろんなものを観察して考えることを怠らないことを忘れないで欲しいと思います。


地方のRLAが地方においてできる役割は、まずは地道に空間をデザインする設計について、啓発していくこと、実践していきながら、プロジェクトに関係する機関や関係者に理解を促すことなのだろうと思います。(第一の受益者である市民のことも忘れずに...)
地域に入り込んで、地域ならではの問題点や課題を肌で知ることも重要です。

地方の大学でも、建築やランドスケープを学んでいる学生が、地域に入って住民と交流をもって問題点や課題を発見し、設計課題や地域活動に取組んでいる状況です。

一番働き盛りの30~40代の技術者が、企業の利益の為に働くことでいっぱいにさせられがちですが、 一歩引いてこの仕事に対する意義を見ていく必要があります。
確かに、会社のこと、家庭のことなど抱えているものが多く時間的余裕、経済的余裕も無いのが実情であります。
本当なら、知識的にも積み重なってきて、体力的にも多少の衰えがあるにしても、まだまだ元気な立場の技術者なのですから、問題意識を持って取組まなくてはならないのですが、精神的にも追いやられてしまっている。いろいろと苦難もありますね。


今では現役学生の方が、ある意味厳しい時代で一生懸命になって研究をしている状況。
一生懸命になっている学生の気持ちを踏みにじることなく、業界全体で若手技術者、将来の技術者が活躍できる機会ができるようにしていかなくては。
(気持ち的には、資格のみで仕事をしない技術者には、若くて精力的にも活動している将来の技術者に託した方が世の中もっと良くなるのではと思ったりもします。現役技術者は、若手技術者に内容で負けないよう、現役で働いている、働いていかなくてはいけないのなら若手に負けないよう精進するのが筋なのではないですか...?)


有資格者には、年齢等を理由に「出来ない」なんての言い訳は通用しないことでしょう。
年齢を重ねた技術者でも、精進している技術者もいます。最終的には人の資質がものいうということもありますね。
専門の道を志している若者に恥じないような行動が問われていることは間違いないです。


自分は、ある意味これからがRLAとしてのスタートラインだと思って日々精進していこうと思います。
地方のRLAとして恥じないように。
(自分はRLAの登録をまずして、はじめてRLAとしての効力を有するのですが...(苦笑) 早速手続きしようと思います。 →申請手続きしました。12月ごろには登録証届くでしょうか...?)


地方ならではの着目点や創造性をもって、地方が元気になることへの貢献ができれば...。

これからの抱負です。