設計・計画に携わってる者から見て、公園や都市、地域空間についてや 北関東でのランドスケープデザイン・造園外構設計の現状、身のまわりの出来事から思ったこと、日常の話題など気持ちまで含めてざっくばらんにレポート、つぶやいていきます。
(都市部より未熟な点もあれば、その逆もある。)


【東北芸工大 環境D 3期生のいま】

同期の仲間たちはそれぞれ、建築や都市計画の分野で活躍していますが、地方ですとこんな感じです。中央でしかできないこと、地方でしかできないこと、いろいろあります。

自分の周りの出来ごとを中心に、肌で感じたものごと 笑いや感動したこと 思ったこと あるときは苦悩の日々を。 ちぐはぐな文章は愛嬌ということでm(_ _)m

仕事をしていく上で、プランニングの仕事においては気持ちの部分も内容に大きく影響します。創造性のある仕事を「純粋にやっていくため」には大切な要素であると思いますので。

2011年8月18日木曜日

地方都市で専門的な技術者を育てる土壌づくりは? 【仕事の話題系:提言的なもの】

現状においては、都市計画、建築や土木、造園などの建設系のコンサルタントと呼ばれている会社では、ほとんどが末端の実施設計分野にしか携われないことが多くあります。
そして、梃子(てこ)的な業務にしか携われないことも多く、一部コンサル以外の大多数の建設コンサルは技術的な成長速度に足踏みをしている業界全体の状況であります。

結果、地方コンサルでは計画や構想、デザイン分野の思考がなかなか育つことの出来ない状況です。


現在、若者の中では、大学等で専門的な勉学などをこなし、きちんとした考えを持っている将来の技術者は沢山います。

問題なのは、その将来の技術者の雇用、受け皿、専門的知識を育てていく環境に乏しいことであります。ある意味、専門的業種における雇用のミスマッチも起こっています。

まずは、今までの末端の仕事しか、パターン化された仕事しか出来ない環境を改変していくことが必要です。
これらが改善されないと、企業に属している技術者の成長も見込めず、東京などの大手、専門コンサルでしか専門的知識が蓄積されないという循環に陥ってしまいます。

本来、地場のことは地場に暮らす人、地場の技術者でしか知りえない情報が沢山あります。
地域性を創出することは、これらの地域情報をいかに専門的知見でつくり上げていくか、それができないかで、地域が活性化する、衰退していってしまうことにつながっていきます。

地域文化と専門的知識がリンクすることが重要なのです。それが地域を創出する、地域風土を形成することにつながります。


「大学などで勉学をしてきた若者の新しい知識、感性を採り入れること。希望を持つ若者を育てていくこと。」

これができるかできないかで、その地域が今までと同じような単なる都市部の梃子(てこ)的な業務しかできないか、地方でも斬新なことを考えられる一目置かれる業務ができるようになるか のどちらかになってしまいます。

自分の会社のことだけでなく、地域や業界全体のことを見据えながら問題意識を持って、地方の技術者は日々考えることをしていかないといけないと思います。

全体的なものを見据えながら、地方の技術者でも可能な細かい、痒いところに手が届く。というのが地方技術者の利点だったのでは?


【東北芸工大の卒業生で例えれば】
東北芸工大で、環境デザインを学んできた卒業生、現在現役の技術者は、それぞれの地方で今はいろいろと苦しい状況、逆境にある方も多いかと思います。生活していくのもままならない状況も。

それにめげずに頑張っていくこと、辛抱強くやっていくこと。そして力をつけていくこと。

東北の地「山形」で、純粋に専門的なことを学んできた蓄積、ノウハウ、感性、我慢強さがあるのですからこれらを基礎として、これから先を担う後輩たちへの将来の門戸を広げていくことが、専門分野で働いている技術者(卒業生)の使命でもあると思います。

都市部だけでなく、地方部でも活躍できる場をつくっていくこと。
地方が疲弊しないためにも、多くの将来の技術者を育てていくことにおいても必要なことです。

専門的分野を学んでも、その志が実現できない状況では、せっかく学んだ多くの知識が無駄になってしまいます。

ある意味、そういう状況にしてしまっているのは社会全体の責任でもあります。できることから少しでも、それらの良くない状況を改善していかないと、社会の不公平感の払拭や理想を追及していくことに繋がっていきません。


【若手技術者を育てていく環境づくりを怠ると...】
若手技術者を単なる梃子(てこ)にしか扱わない状況では、その若手技術者も育っていきません。考えさせながら実践をし、その不足する面をカバーするなどのフォローも必要です。考えながらでないと、失敗の経験が活かされる事無く、同じことの繰り返しになってしまいます。
ベテラン技術者には子供をうまく育てるのと同様に、若手技術者の育成にへも力を注ぐ、考えることをしていかないと、会社や業界自体が尻つぼみになってしまいます。

トップダウン形式でも、ボトムアップ形式だけでもない。それぞれの良し悪しを理解し、その状況にあわせた使い方をすることです。
横から目線という新しい発想も...なでしこジャパンから学んでいますよね。

今の時代、「みんなで力を合わせながらアイデアを出し合い、これから役に立つ創造的なものを造っていく流れ」 です。

地方でも、専門的な分野の業種をこなすことが出来るよう、情報ネットワークの構築、いろんな情報や知見を知ることが重要です。
地方の閉鎖的な状況、ガラパコス化も地方の特性を出すにはいいかもしれませんが、それにしても、外の状況をみて、その地方の良し悪しを見ることは忘れてならないことです。

そうでないと、地方を愛することができない。
表面上はそういいつつも、中身的には充実していなく地域特性を創出していく仕事はできないのです。

地方に足りないものを、中央からの上から目線だけでなく、地方からも考えていくことがキーとなります。それが実行できなければ、いつまでたっても梃子(てこ)のままの地方技術者、格下な地方の建設業界になってしまいます。
また、力のある若手、精力的な若手技術者が地方に就職しても地方の業界に幻滅し、最終的には都市部や専門的な他社のコンサルへ流出してしまいます。
地方で抱えている人口流出の問題、地方の衰退にも多少なり加担してしまっています。
(それは、魅力的な働く環境、専門コンサルがないからではないでしょうか。)

公園緑地・ランドスケープデザイン領域の仕事で言えば、地方ではまだまだ土木の一領域ととらわれています。
専門で学んできた人や、この分野に関心のある人が設計に携わるのならいいとしても、それ以外の専門外の技術者が、道路・河川と同じような感覚で公園を設計してしまい結果的に失敗してしまうことが多々みられるということで、地方ではまだまだ専門分野が成熟しきれていません。

各専門分野の底上げの為に、 少しでも、
「高校や大学で専門的に学んできた若者や関心のある技術者にこれらの設計をやって欲しい。」 
というのが、本音です。業界の技術力、発想力、思考力、創造力の向上のためにも。


これから社会を担っていく若者、後世の世代につなげていくためにも、従来のやり方を見直しながら、これから先21世紀型の地方の新しい仕事のやり方を一人一人が自覚をもってやってみませんか。

地方において専門的な仕事の土壌を耕していくことも、地方で働く技術者、現役世代の役割なはずです。
自分も含めて、カツを入れていかなければ!!