設計・計画に携わってる者から見て、公園や都市、地域空間についてや 北関東でのランドスケープデザイン・造園外構設計の現状、身のまわりの出来事から思ったこと、日常の話題など気持ちまで含めてざっくばらんにレポート、つぶやいていきます。
(都市部より未熟な点もあれば、その逆もある。)


【東北芸工大 環境D 3期生のいま】

同期の仲間たちはそれぞれ、建築や都市計画の分野で活躍していますが、地方ですとこんな感じです。中央でしかできないこと、地方でしかできないこと、いろいろあります。

自分の周りの出来ごとを中心に、肌で感じたものごと 笑いや感動したこと 思ったこと あるときは苦悩の日々を。 ちぐはぐな文章は愛嬌ということでm(_ _)m

仕事をしていく上で、プランニングの仕事においては気持ちの部分も内容に大きく影響します。創造性のある仕事を「純粋にやっていくため」には大切な要素であると思いますので。

2011年12月17日土曜日

地方でランドスケープデザインは理解されるか? いやもっと理解されて欲しい。

一応、地方のこじんまりとした(小規模な)ランドスケープコンサルとして、業務に取り組んでいる日々。

中央のランドスケープコンサルと比べると、規模も小さく、会社の歴史も浅く、実力もまだまだです。

地方でも、ランドスケープ分野を志している技術者や若者はいるのですが、なかなか表面に現れず、沈んでしまっている状況でもあり...。
そして、空間をデザインする思考をとりいれた仕事が、中央と比べると雲泥の差があり なかなかデザインを考えることに携われないのが実情となってしまいます。


地方でも、ランドスケープ教育を行っている大学等がある土地柄では、先生方、学生達の積極的活動等により理解もされつつありますが、そのような土壌のないところでは、なかなかデザインという言葉、領域の理解度が高くないのが残念でなりません。
(大学等で建築や都市計画、ランドスケープデザインを学んできたことの方が刺激になっているのはある意味さみしいと思ったり。社会に対して本来はもっとこれらの領域を発展させなくてはならないのにと思う日々。)

都市空間ひとつみても、大都市部では樹木一つをとっても、とても大切にされていたり、街路樹が綺麗な樹形を保っていたりして、まちの景観としても成熟度が高いと感じます。

地方において、街路樹の植えられているスペースが狭い道路などでは、街路樹が無残な姿で剪定されてしまい樹形が整わない、木があるというだけの街路樹となり夏場の日陰の創出やビスタの利いた並木道の創出、景観形成をするのに本来の趣旨が発揮されにくい状況になっていることが残念に思うときがあります。


街の中の大木や並木については、まちの風景を創出するという意味ではとても大切な要素の一つでもあります。
機能面だけで、巨大な街路樹を伐採してしまうというのでは、何かもったいない。
景観形成の手法としても、街路樹や巨大な樹木は重要な役割を果たすものであります。

円錐形で形の整った樹木が一定ラインで整列されていれば、ビスタ、見通しが効いた街路が立体的にも形成され、巨大な樹木は、その都市のシンボルや土地を表現する目的物(目標物)ともなり、ランドマーク的役割を果たすことができます。平面上で広がる街のなかで、建築だけでなく、緑の樹木があるということは、無機質な空間に安らぎと潤いを与えます。

都市の機能のみを考えた整備の方法は、人々が求める安らぎや愛着、感動を与える空間整備としてはまだまだ発展途上の状況。
考え方ひとつでまちを形成する仕事は、おおきく変わってくるのだろうと思いますが、なかなか財政状況の差(を理由にしてしまっている?)なのか実現することに難しく考えすぎて、本来の目標を失ってしまっている感があります。


忙しい現代人には、精神的にも心の安らぎを与えられるような都市空間が必要です。
厳しい世の中で疲れきっている現代人のこころをサポートするのも、まちの役割のはずです。

効果的な緑を活用した整備手法。まちを魅せる景観形成の手法をこれからも大切にしていって欲しいと思います。

地方においては、都市のかたちをあらゆる面で考えること は発展途上。
ある意味これからどう考えるか(舵取りをどうするか)で、その都市が成長できるか、そのまま停滞してしまうかになってしまうことかと思います。

よりよいまちをつくっていくには、それぞれの組織や専門分野の連携、横のつながりが必要であり
きちんと議論して、方針をつくっていくことが必要です。それぞれの分野が独立して細かい事をやっても、トータルで整合性が図れなければ、あべこべな都市空間となってしまいます。



魅力ある都市を、成熟した都市へしていくためにも、
ランドスケープ的な空間形成の手法も、まちづくりへ積極的に取り入れませんか?

実際に計画だけでなく、実行へ移すことが出来れば多くの人に実感され、こういうことなのかと理解されることだと思います。