設計・計画に携わってる者から見て、公園や都市、地域空間についてや 北関東でのランドスケープデザイン・造園外構設計の現状、身のまわりの出来事から思ったこと、日常の話題など気持ちまで含めてざっくばらんにレポート、つぶやいていきます。
(都市部より未熟な点もあれば、その逆もある。)


【東北芸工大 環境D 3期生のいま】

同期の仲間たちはそれぞれ、建築や都市計画の分野で活躍していますが、地方ですとこんな感じです。中央でしかできないこと、地方でしかできないこと、いろいろあります。

自分の周りの出来ごとを中心に、肌で感じたものごと 笑いや感動したこと 思ったこと あるときは苦悩の日々を。 ちぐはぐな文章は愛嬌ということでm(_ _)m

仕事をしていく上で、プランニングの仕事においては気持ちの部分も内容に大きく影響します。創造性のある仕事を「純粋にやっていくため」には大切な要素であると思いますので。

2011年12月11日日曜日

スーパーフラットな公園は「是」か「非」か

最近の公園の整備事例をみると、地形的にフラットで面白みが薄い公園が多くみられます。

ポケットパークや街区公園(0.25ha標準)では敷地的にも制約されていることから、フラットな地形で公園づくりが行われるのもわからなくない気もします。

近隣公園以上ではどうか。
近隣公園においてもスーパーフラットな公園が多く見られますね。

本来、近隣公園(標準2.0ha)以上では、広い敷地を活用した、高低差を活かした公園づくりが求められているはずです。

防犯面をあまりにも強調、意識してしまうことから、本来公園に求められる遊びの楽しさまでも削いでしまうということに繋がってしまっているようです。
公園に第一に求められているといっても良い、遊びの楽しさまでを、安全の面だけで削いでしまっているのでは、公園を整備する意味が感じられません。


【地形の変化を楽しむことが出来る公園づくりをもう一度みなおそう】


ラウンディングのある公園や高い丘のある公園は、普段フラットなところに住んでいる子供たちにとっては、面白みのある空間でもあり、上り下りのかけっこの出来る身体を鍛える、育む空間となりえます。
防犯の意味合いだけで、スーパーフラットな公園(地形の変化の無い公園)がつくられ、無表情な公園となりがちなのが、残念でなりません。
そして防犯面を考えるのであれば、スーパーフラットな地形でなくとも死角をつくらないことも可能でしょう。

設計をやっている立場からみれば、公園設計や公園計画を平面だけで考えてしまうと、どうしても立体的な地形の変化や景色の見え方が想像することに欠けてしまうと考えてしまいます。
そして、結果的におもしろみのある公園空間が実現できなくなってしまいます。
公園の企画、設計、施工等にかかわる技術者すべてが、立体的に空間を想像すること(できること)が必要と日々感じています。
そして、土木的な観点だけでなく、遊びの楽しさ や 空間で落ち着いて憩える場の創造 を持つことが公園をはじめとする空間設計の技術者には必要なことです。

住民を交えたワークショップなどでも、スーパーフラットな公園にすることに対し、疑問をもたれる方も多くいらっしゃいます。せっかく公園をつくるのなら、面白い地形の変化や風景の変化が感じられる公園の方が、公園にいて楽しいですよね。
子供の目線からすれば、いろんな見え方の変化がある公園空間の方が楽しく遊ぶことができます。自分の子供を見ていてもそうです。山や丘があれば登って普段目にしない高いところから周りを眺めます。高いところから周辺を俯瞰(ふかん)することは、こどもに感動を与え、心身の成長にも寄与していると子を持つ親としても感じます。

自分たちの使う公園なのだから、無表情な公園よりも楽しく憩える公園にしたいというのが税金を納めている住民の考えの一つであると思います。
地域によって、フラットな公園の方がいい、地形の変化のある公園の方がいいといろんな考えが在るかと思います。ですから、全ての公園がスーパーフラットである必要はありません。地域の状況に応じて考え方(フラットにするべきか、そうでないべきか)を使い分けるべきです。


公園づくりに求めるもの...

それは、「あんぜん、あんしん」 の他に、公園空間の「たのしさ」 をもっと大切にできないかと思います。
公園整備に同じ金額を投じるのであれば、面白い公園空間を実現できる方が整備したかいがあるというものです。

有効に整備金額を投資することが必要で、形式的(形的に、画一的に)に投入するのでは税金を納めている側も納得できないことでしょう。

しかし、整備する行政側が悪いのか? そうでもないこともいえます。

ここで忘れてはならないのが、行政側も思い切った公園整備が出来なくなっているというのもひとつあるのです。
最近は何でもクレームをつけてくる方がいることが影響し、子供たちに夢を与えるような空間づくりができなくなっている、クレーム対応に追われて本来のあそびの楽しさを提供するという目的から外れていってしまっているという悲しい現象も見られます。

片一方で、トップダウン的な思考からまだまだ抜け出せなく、反感を喰らっていることもあります。

どちらが悪い、どちらがいいという考え方でなく、建設的な議論はいろんな考えを持つ人々同士が、知恵を出し合い、お互いが置かれている状況を理解し、譲歩し、納得しあうことが必要です。
ワークショップで言えば、トップダウン的な住民説明会ではなく、議論し、お互いの理解を得ること。
いいすぎかもしれませんが、何でも他人任せにしてしまう風潮、何でも自分の思い通りになる考えが、結果的に面白い公園空間をつくることに多少なりとも影響を与えてしまっていると考えます。


面のみで面白い変化をもたらしても、縦断で(地形の高さ)の変化があるとないのでは、空間の面白さがだいぶ異なってきます。面のみの楽しさでは限界もあります。

せっかく公園をつくるのであれば、楽しいみんながたのしく、憩える公園をつくりましょうよ。