土木や外構の設計の仕事(設計業務委託)の大半は、発注者(役所等)へ納品し、その後は施工業者へ作業の権限が譲渡されます。
また、継続して(連続した敷地に)工事を行う際、新たな箇所の設計はあえて組まずに、前工事の図面を活用し新たな工事を行うこともあります。
園地空間の整備においては、 デザイン的にも 「おさまり」を考えた空間設計 や ものの設計 を行っていますが、実施(施工)段階において設計意図が汲み取れないと道路構造物と同じようなものを園地内に造作されてしまったり、連続性を意図したにもかかわらず、途中で切れてしまい形が変になることも見られたりします。
設計側にも、図面、仕様書等で設計意図が伝わるような工夫も必要でもあり...。
設計と施工が切り離されて考えてしまっている状況で、設計意図は伝わるものなのか?
全ての施工が設計意図を考慮せず、標準的な構造にて画一的に進められてしまっているかと言うとそうでないこともあり、その中で、設計者の設計意図を汲み取り工事へ反映させようとしてくださる発注担当者さま、工事担当者さまがいらっしゃることは、デザインを取り込んだ設計を行う者として、喜びでもあり、空間のありかたへの造詣が備わっている、理解してくれていると感じます。
とてもありがたいことです。
発注者さまとデザイン的なこと、感性的なこと、空間デザインのことが通じる、共有できることは、設計者としてはモチベーションもあがり、もっと良いもの、もっと工夫できないかと試行錯誤する力が働きます。
本来、専門的な設計は 話合いながら、お互いに創造力を膨らませ 意思疎通 をするもの。
つくってよかったなという空間ができる(出来た)ことを励みにできることは、
まちの空間を造っていく技術者として、目標とするところのひとつであります。
限られた条件の中、どれだけ創造力を働かせたものを盛り込むことが出来るか、が設計者の裁量によるものかもしれませんね。
【さいごに】
出来るだけ、学生のうちにいろんなことを経験し、創造力を育むことは大切なもの・ことです。
社会人になってからでも遅くはないでしょうが、より若いうち(学生時代)に考えていたことが自分を動かす強い糧になることがあります。
設計をする側 になるか、設計を監修する側 になるかにかかわらず、様々な経験(可能な範囲で地域に入って人と交流しながらまちのことを考える、いろんな建物や公園空間を観察するなど)を学生時代に身につけたほうが将来、社会的にどうこうしようという前向きな姿勢に少なくともなれることは間違いないはずですから...。